2014年3月3日月曜日

3/1 Jリーグ第1節 VS サンフレッチェ広島 @ ヤンマースタジアム長居

セレッソ大阪00前半01サンフレッチェ広島
0後半1
延長前半
延長後半
PK戦
スターティングメンバー
セレッソ大阪サンフレッチェ広島
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK1林 卓人
藤本 康太4DF13DF33塩谷 司
丸橋 祐介14DF20DF5千葉 和彦
酒本 憲幸17DF00DF4水本 裕貴
山下 達也23DF00MF2ファン ソッコ
扇原 貴宏2MF02MF6青山 敏弘
長谷川 アーリアジャスール5MF00MF30柴﨑 晃誠
山口 蛍6MF00MF16山岸 智
南野 拓実13MF31MF9石原 直樹
柿谷 曜一朗8FW13MF24野津田 岳人
フォルラン10FW50FW11佐藤 寿人
武田 博行1GKGK13増田 卓也
染谷 悠太3DF0DF17パク ヒョンジン
新井場 徹7DFMF28丸谷 拓也
ゴイコ カチャル30MF0MF25茶島 雄介
楠神 順平11MF0MF36川辺 駿
永井 龍9FW0MF37宮原 和也
杉本 健勇20FW012929浅野 拓磨
12シュート10
9GK8
4CK2
16直接FK12
1間接FK1
1オフサイド1
0PK0
セレッソ大阪サンフレッチェ広島
得点塩谷(71')
フォルラン→杉本(81')
扇原→ゴイコ カチャル(85')
長谷川→楠神(90'+3)
交代ファン ソッコ→パク ヒョンジン(61')
佐藤→浅野(65')
山岸→宮原(87')
山下(38')警告柴﨑(61')
退場
いよいよ開幕となるJリーグ2014シーズン。
フォルランの加入によりオフシーズンに最も注目を集めたチームとなったセレッソは、今シーズンから5年間のネーミングライツ契約によりヤンマースタジアム長居と名を代えたホームに、2連覇中のチャンピオンチームサンフレッチェ広島を迎える。
両チームともACLで既にシーズンが始まっているが、セレッソのホーム開幕戦という事もあり37,079人と昨シーズン最多だった鹿島戦よりもさらに多い観客が集まった中での1戦となった。

セレッソのメンバーは、ACLはベンチスタートだったフォルランがスタメンに入り杉本がベンチスタート。韓国から帰ってきての練習で別メニューだった山下も木曜日から全体練習に復帰し無事にスタメンに入り。また2/26にHSVからの加入が発表されたゴイコカチャルがベンチ入りしている。

一方の広島は、高萩・森崎・柏・清水・柴崎とけが人が続出の中、柴崎が直前の練習から復帰しスタメン入り、その一方ミキッチが腰に張りがあるという事でベンチ外になっている。

■セレッソの広島対策
マッチアップ
柿谷とフォルランがFW登録となっており、ACL浦項戦の後半も含めてこの2人が同時出場している時は横並びの2トップ、さらに報道でポポビッチ監督が東京時代に広島と浦和に対してのみしかけていたミラーゲーム用の3-4-3をテストしたとの情報もあり注目されたセレッソのフォーメーションはフォルランがトップ下に入る4-2-3-1。
FC東京での2年間で広島との対戦経験もあり、そしてこの広島の戦い方の源流を作った現浦和監督のペトロビッチの元でシュトルム・グラーツから広島が今の形になる前までですがコーチとして3年近く共に過ごしているだけあって、広島で4-4-2だとマッチアップ上最もフリーになりやすいけど、最もフリーにしてはいけない選手の青山をしっかりフォルランが見るという形をとってきました。
フォルランは世界的に有名なプレーヤーですし、FWとして一流のキャリアを歩んできているのでもうちょっとルーズになるかな?とも思いましたが、全くそんな事はなく相手ボールになれば先ず青山につく、また青山以外のプレーヤーに寄せる時は必ずボランチの1枚に受け渡すという事が徹底されていました。
昨シーズンの広島対策
そして東京時代に対広島で採用していた3-4-3では広島の4-1-5の前線の5枚に対して3バックと両サイドを戻す事で枚数を合わせていたので問題になりませんでしたが、今回4-4-2であれ4-2-3-1であれ4バックでやるとなると最終ラインの所は絶対に数的不利になります。
昨シーズンクルピ監督が採用したのはWBはSBでマッチアップさせて中央の1トップ2シャドーは2CBと2ボランチの4枚で見て1人余らせる形(なのでボランチが最終ラインに入ってもOK)でやっていましたがポポビッチに変わりこの日はまた違うやり方でした。
守備ブロック
先ず守備組織の作り方として青山をフォルランに見させた4-4-1-1の形なんだけど、中盤の4人は中央に圧縮。最も危険な1トップ2シャドーへのパスコースを切る形に。千葉や柴崎がボール運んでくるのもこれで対応する。
そして引いてくるシャドーはボランチが捕まえる。
中央へのパスコースを切ると広島は開いた3バックの両サイドを使ってボールを運ぼうとしてくるんだけど、そこには長谷川と南野のSHがもう一度寄せる。これが長谷川がセレモバのインタビューで言ってる「中でボールを切りながらサイドに出される分には2度追い出来る」という形ですね。
ファーサイドのカバー
で今度サイドに展開されて最終ラインとの勝負になった時は、ボランチが捕まえている時はもちろんそのままなのですが、基本的に最終ラインが見るのはボールサイドからの4人。
ボールと逆サイドのWBは最終ラインでは捨てます。
じゃあここはどうするのかというと、ボールと逆サイドのSHが戻ってカバーするという形でした。なので、開始2分頃にあった石原がセレッソの右サイドからクロスを上げてファーのファン・ソッコがボレーしたシーン(扇原がシュートブロックをしたので事なきを得ましたが)はファン・ソッコは南野が対応しなければいけないシーンでした。

■広島の守備
3-4-3での守備
次は広島がどうやって守っていたかなんですが、広島は今シーズンからDFラインを下げすぎないというテーマがあるんじゃないかと個人的には思ってるんですが、相手ボールの時にシャドーがSBにプレッシャーをかけにいく場面が昨シーズンよりも増えています。
なので前半からセレッソのSBに対して石原と野津田が寄せるシーンが見られています。
ただボランチから裏へ抜ける柿谷というルートを警戒してなのか、スーパーカップの時の様なプレッシングという訳ではありませんでした。
5-4-1での守備
ただやっぱり基本的には撤退がベースなので、切り替えの時に寄せた後は自陣で5-4-1の形になって守っていました。

■試合展開
昨シーズンのホームでの対戦の時にも書きましたが、今の広島との対戦は我慢比べの様な展開になりやすい。
というのも、広島が中盤で相手を喰いつかせてギャップを作ってそこをきっかけにミスマッチを活かす展開を得意としているからで、喰いつかなければギャップはできないし広島も大きなリスクをおってまでギャップをつくろうとしてこないからです。
という訳でやはり我慢比べの展開でした。
そしてセレッソも去年までよりも前半は我慢比べに乗っかりました。
それがポポビッチのやり方という部分ももあるでしょう。
しかし個人的にはそれだけじゃなくって、おそらく広島のシャドーがSBに寄せるという行為があったからじゃないかと思っています。
1トップ2シャドーの頃からセレッソの攻撃の横幅はSB(WB)が担ってきました。
これまでの広島は一旦ボランチを経由するととりあえずはSBがフリーになれたのでSBが楽に上がれて幅を作る事ができていたのですが、最初に寄せてくるのでSBが楽にはフリーに慣れない。また守備の新しいタスクもある。
そして中盤の4枚は、相手ボールになった時に中央に圧縮して組織をつくる。
その辺りがあわさった結果、じゃあ人数かけて攻めれないよねって事でSBで幅を作れない中央に密集した攻撃になり、ポポビッチの代名詞とも言われるワンツー過多の攻撃になり、我慢比べの様な展開になったのではないかと思われます。
前半でチャンスらしいシーンは前半6分頃のファン・ソッコのところで南野と丸橋で奪ってショートカウンターという様な前でボールを奪うことができた場面ぐらいでしょうか。
あとその我慢比べに乗っかったからという事もあるんでしょうが、例えば扇原から裏へ抜ける柿谷やフォルランって形ももっと使えばもう少し効果的な攻撃もできたのかも知れませんが、前半はあくまで我慢比べとしてボールを失わないことを優先したのか、攻撃の形にバリエーションはあまりありませんでした。

■後半の変化
柿谷が中盤で受ける
後半のセレッソは攻撃に変化を見せます。
変わったのは柿谷。前半は守備の時にフォルランがトップ下を見てる関係もあって攻撃の時も同じ様に前に柿谷後ろにフォルランという形になっている事が多かったんですが、後半は守備の時の形はかわらないものの、ボールを持った時にフォルランが前にでて柿谷が下がってくるという形を取り出します。
前半も柿谷が下がってボールを受けるシーンはありましたが、それよりももっと中盤の組み立てに関わる形で、柿谷が中央でタメを作ったりサイドでの展開に加わってSBをあげる事ができるようになります。
この後半開始からの20分ぐらいの間がセレッソの攻撃が最も機能していた時間帯でした。
SBが上がることで攻撃の時に横幅ができ、さらに長谷川と南野が中央でフォルランと柿谷に絡み流動的なポジショニングでいわゆるセレッソらしい形ができていました。
その結果広島を押し込む事ができるようになり、押し込めれば前からの守備もできる訳で。
ただ、ここで決められなかったのが結果に大きく響きました。
決めるならココでした。
65分〜
61分に広島はファン・ソッコからパク・ヒョンジンに交代し、山岸を右に回してパク・ヒョンジンは左WBに入り、65分には佐藤から浅野に交代し、石原がワントップで浅野はシャドーに入る。
交代を交えながらこの厳しい時間を乗り切った広島に対してセレッソは徐々に間延びし始め、広島が再び攻撃出来るようになります。

そして71分。塩谷が山岸に当てた所から短いパスを繋がれて局面で数的不利を作られ、塩谷、青山、野津田と繋がれ石原にスルーパス。石原の突破は藤本が対応するも粘られてクロスを後ろから上がってきた塩谷にボレーで決められて失点。広島が先制します。
この局面は難しい局面で最初の対応は間違えてないんですよね。
ただ、遠い所から寄ってきたのが青山で、その青山を見てるのはマッチアップ相手のフォルランで、ここまで青山が出て行った時はボランチに受け渡しをしていたのですが、山岸にボールが入った時に野津田がボールに寄ったのでボランチの1枚である扇原はその野津田についていったので受け渡せるボランチがいない状態になっていました。
強いて言えば、扇原がサイドに出て行った時に山口がもう少しボールサイドに寄せていれば良かったんでしょうけど、ただその後粘ってクロスを上げた石原が良かったという状況でしょうか。
85分〜
81分にセレッソはフォルランを杉本に代えそのままトップ下に、85分には扇原からカチャルに代えてそのままボランチの位置に入れます。
フォルランと扇原に限ったことではありませんでしたが、もはやこの時間帯ではかなり疲れも見えていました。
そしてこの前ぐらいから1点ビハインドということもありリスク承知でどんどん前にボールを入れていきますが崩す事が出来ない。
93分〜
広島は87分に運動量の多い両サイドでまだ交代していない山岸を下げて宮原を、93分にセレッソは長谷川に代えて楠神を投入し、山下をほぼ前に残してボールを送りますがそのまま試合終了。
開幕戦は0-1でアウェイ広島の勝利となりました。

■その他
おそらく日本中で最も注目を集めた開幕戦ですが残念ながら敗戦となりました。
両チーム共に慎重な戦い方を選んでそのとおりの展開になりましたがヤラれてしまいましたね。
広島はやっぱり強かったです。

そしてセレッソですが、
守備はかなり機能していたと思います。失点シーンは難しい状況を作られそして石原のプレーにヤラれてしまいましたが、それ以外はキッチリ抑える事ができていました。
ただその分、長谷川・南野の両サイドと扇原はかなり守備に引っ張られたかも知れません。
攻撃面では、後半立ち上がりはかなり面白い形を作れたと思います。
ただ、守備もそうなんですが、相手が広島なのでこれが全てに当てはまるかどうかという部分はあるんですよね。
後半立ち上がりにリズムを作ったのは柿谷が中盤でのプレーをしたからなんですが、例えばフォルラン1トップで柿谷がトップ下になれば、昨シーズン猛威を振るった柿谷の裏抜けというプレーがなくなる訳で、そうなると他チームにとってはセレッソで警戒すべきプレーが1つ減ることにもなるんですよね。
なのでもし1トップなら柿谷が前でミドルのあるフォルランが後ろの方が武器が活きる可能性は高いですし、出来るなら2トップで並んでプレーした方がもっとバリエーションも増える可能性もあります。
ただ、2トップなら柿谷がやってたプレーは長谷川だったりがしなきゃいけません。
まだカチャルも含めて全員が集まってからまだ1ヶ月経ってない状態なので、そこまでを含めてどういう形をつくり上げるか、つくり上げるまでにどれだけ時間がかかるか。
そしてポポビッチにつくり上げる事ができるか。
柿谷とフォルランというヨーロッパのビッグリーグで組んででもおかしくないぐらいの2トップで、中盤にも最終ラインにも能力の高い選手がいて、さらに元セルビア代表というクオリティの高い選手を持っているですからね。
現時点では広島との完成度の違いは仕方ないにせよ、それこそ史上最高のチームを作ってもらわないと。

4 件のコメント :

  1. よいちろう2014年3月3日 17:15

    全く残念でした。
    やっぱりシンプさんの穴は大きかったですかね。ツートップ気味になった時にサイドからは誰も入ってこない。ボランチは上がれない。で真ん中がぽっかり空いちゃってる時がありましたから。あそこに誰かが居れば...。
    12人になっちゃうか。(笑)
    ポポさんの腕の見せ所じゃないかな?って思います。
    それと、失点の場面なんですが、タカがゴール前に戻ってきてるんですよね。スペースを消すようなポジション取りをしているんですが、それはそれで正解なのでしょうか?
    結果論的に言えば、塩谷についていればあのボレーは無かったのかな?と。
    DFとしてはどちらが正解なのでしょう?

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    1. コメントありがとうございます。
      返事が遅くなってスイマセン。
      シンプリシオの穴というよりも、2トップの形はまだもうちょっと整備が必要ですね。
      後半の立ち上がりに曜一朗が中盤で受けるプレーをみせていた時間帯では確実にボールを運べてチャンスがつくれていたので。
      あと、失点の場面ですが、あの場面最初にタカが2対1の状況を作られてるんですよね。
      フォルランが青山についていたんですが、青山が飛び出してきたので。
      なので先ず対処しなきゃいけなかったのはその時、石原にパスがでる前の状況でした。
      あと最終的に塩谷にタカがついていればもちろん失点は防げたでしょうけど、それはさすがに難しいかと思います。
      人数をかけて石原を潰しにいっていましたからね。
      あそこは石原を潰せなかった事、逆に石原が粘った事がすべてだと思います。

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  2. 今年も楽しみに拝見させてもらってます。

    フォルランの後半のポジションなんですが、1トップに上がってましたが、コンディションが今一で運動量も多くないので、攻め残りでも許されるトップのしたのではと思いました。

    415のチームだとトップ下の守備の役割が多く、今のフォルランでは厳しいように感じました。

    ですので、全体の足が落ちてきてオープンになる前に交替させて欲しかったです。

    あと、終盤広島にリードされると9人守備、真ん中カッチカッチ対策はどうすれば良かったですかね?

    楠ドリで3人ぐらいぶち抜くくらいしかなかったような...

    その辺りはどうでしょうか?

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    1. コメントありがとうございます。
      遅くなってスイマセン。
      4-2-3-1でのフォルランと曜一朗の関係ですが、試合前からここはどうするのか気になっていました。
      コンディション云々もありますけどフォルランはFWですからね。
      おっしゃるように対4-1-5でトップ下に入るとどうしても守備のタスクが増えちゃいますし。
      ただ、青山にやられたのはあの失点シーンだけなんですよね。。
      スペースをあけるとミドルがあるフォルランがあそこにいること、一発で裏を取れる柿谷が一番前にいることで広島をより慎重にさせたという面もあったかと思うので、ポポさんはそこの収支がプラスに出ると踏んだのかもしれません。
      そして、もし先制できて今度広島がリスクを追って攻めてくればフォルランを下げてトップ下にアーリアを回すなり、ミラーにしてカチャルを入れるなりという計算で。
      後半の、攻撃の時にフォルランがトップに入ってたのはおそらく曜一朗が自分で判断したんじゃないかと思っています。
      守備の時にフォルランが青山を見るのは変わってなかったですから。

      最後の広島9人守備は難しいですね(笑)
      サイドはWBにまかせてペナ幅に3+4の7人もさきますからねえ。
      押し込んでマイナスのクロスかミドルを繰り返すぐらいしか方法はないですよ
      楠神のドリブルでも人混みの中に突っ込んでいくみたいなもんですもん(笑)
      なのでやっぱ先制されない戦い方、いわゆる塩試合って事になっちゃうんでしょうね(笑)

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