2012年10月8日月曜日

10/6 Jリーグ第28節 VSサガン鳥栖 @キンチョウスタジアム

セレッソ大阪31前半12サガン鳥栖
2後半1
延長前半
延長後半
PK戦
フォーメーション
セレッソ大阪サガン鳥栖
選手名番号位置シュートシュート位置番号選手名
キム ジンヒョン21GK00GK1赤星 拓
茂庭 照幸3DF01DF15丹羽 竜平
藤本 康太4DF00DF5キム クナン
酒本 憲幸17DF00DF20呂 成海
児玉 新22DF10DF3磯崎 敬太
扇原 貴宏2MF00MF8水沼 宏太
山口 螢6MF01MF6岡本 知剛
シンプリシオ7MF20MF14藤田 直之
ヘベルチ37MF11MF10金 民友
ケンペス9FW12FW22池田 圭
柿谷 曜一朗13FW54FW11豊田 陽平
松井 謙弥1GKGK12奥田 達朗
山下 達也23DF0DF2木谷 公亮
吉野 峻光15MF00DF4小林 久晃
枝村 匠馬16MF1MF7船谷 圭祐
横山 知伸18MF0MF28高橋 義希
播戸 竜二11FWFW9トジン
杉本 健勇41FW0FW25早坂 良太
11シュート9
12GK8
5CK2
12直接FK6
3間接FK1
2オフサイド0
1PK1
セレッソ大阪サガン鳥栖
柿谷(27')
オウンゴール(76')
柿谷(86')
得点金(20')
豊田(70')
扇原→枝村(65')
児玉→吉野(74')
茂庭→山下(83')
交代岡本→高橋(56')
水沼→早坂(80')
呂→小林(90'+1)
キム ジンヒョン(89')警告藤田(63')
退場
2試合連続3-2の逆転で連勝し12位まで順位を上げたセレッソ。ホームで迎えるのは昇格1年目で5位と躍進するサガン鳥栖。開幕戦だったアウェーでの試合は0-0のスコアレスドロー、鳥栖がメンバーを大幅に入れ替えたナビスコカップ予選では鳥栖に2人退場者が出た事もあって5-0とセレッソが大勝している。
セレッソのメンバーは丸橋のサスペンションを受けて空いた左SBには順当に児玉が入るが、驚いたのは右SB。先月初旬に左膝の靭帯を痛めて全治7週間と診断された酒本が入った。
正式なリリースは無いが、高橋は練習にも出ていなかったので故障だと思われます。
一方の鳥栖は右SBの丹羽がサスペンションから戻ってきておりベストの布陣。

■マッチアップ
マッチアップ
セレッソの方がボールを持った時に両SHが中央でプレーする事が多いが、形としては4-4-2同士なのでがっちり噛みあう。という事で鳥栖がどこから守備をしてくるのかがポイントになる。

■鳥栖の守備
鳥栖の守備1
鳥栖の守備のスタート地点はセレッソのボランチ。
CBは放置して2トップはセレッソのダブルボランチをマークし、その後ろで高い位置から4-4のブロックを作る。
鳥栖の守備2
そしてセレッソがボールを前に運べないのでCBに戻すと、2トップが一気にCBに襲いかかり前線からのプレッシングをかけてくる。

セレッソのCBはビルドアップの能力は低いのでこのCBを捨ててという形は、今シーズンも鹿島や柏にヤラれた形なんだけど、鹿島や柏にヤラれた時からセレッソは少し変わっている。

■セレッソの攻撃
山口がボランチの位置に下りてくる
変わっているのは、シンプリシオの加入と山口がSHにいるという点。
ということでここ数試合と同じように山口がボランチの位置に下りてくる事で相手の2トップに対して数的有利を確保してボランチを自由にする。
まあ本来ならCBを使えば良い所なんだけど、それが上手く行かず鹿島や柏に面白いようにヤラれてしまっていたので、ここ数試合はこのやり方になっている。
攻撃の幅が狭くなる
ただこの形には弊害もあって、山口が下りてくる事で前線は2トップとヘベルチの3人になりその3人が中央によってしまうので横幅が狭くなってしまう。
特にこの試合は丸橋がサスペンションで不在で、代わりに入っている児玉はSBとしての能力は丸橋と遜色ないものがあるものの、中盤のサイドで組み立てに参加するというプレーは無いのでいつも以上に攻撃の組み立ての部分で幅が使えていなかった。

■鳥栖の攻撃
一方鳥栖の攻撃はサイドからが中心。
低い位置でボールを奪った場合は一旦2トップに長いボールを当てることもあるが、そこからボランチを経由してサイドに展開してクロスという形が多い。

試合が動いたのは前半20分で、スローインからサイドに寄ってくる池田を藤本がマークした状態でボランチの扇原と左SBの児玉が縦に抜ける水沼を全く捕まえておらず、シンプルに縦に抜けだされて折り返しを金民友に決められて鳥栖が先制。0-1となる。
豊田は原則ファーサイドにおりその豊田をCBの1人が必ず捕まえている状態にしているので必ず穴が空く。それをボランチかSBでカバーしなきゃいけないんだけど、それが出来ていなかった。この時は単純に連携ミスだと思っていたけど、どうやら鳥栖はこれを狙っているらしい。
同サイドにSHを寄せる鳥栖
鳥栖はサイドで崩しに来る時に2トップが揃ってファーサイドに流れる事が多かった。
まあこれは豊田という高さに絶対的な自信のある選手がおり、そこに合わせる、またそこのこぼれだまを池田に狙わせるという事なんだと思うんだけど、こうなるとセレッソのCBはこの2トップを空ける事もできないのでCBが揃ってファーサイドにポジションを取る事になり、SBとCBの間にスペースが出来る。
こうなればセレッソはSHが下りてSBが絞るか、ボランチの1枚にカバーをさせるかになるが、鳥栖はそうさせないように逆サイドのSHが同サイドに流れてきて水沼と金民友が同サイドでプレーするシーンが多く見られた。
先の失点シーンだけでなく、同じスローインでも再びこの間を狙われたシーンや、サイド攻撃でもニアゾーンを使われる事があった。

■試合展開
柿谷がサイドに流れ始める
セレッソはある程度ボールを持てていたが中央に固まってしまう場面が多く、何とかサイドに出せた時酒本のクロスで何とかチャンスはあるものの数は多くないという展開の中前半20分に先制を許したセレッソだったが、この失点直後からからセレッソは柿谷が左サイドに流れてボールを受けはじめ、これにより少し幅を使った攻撃ができるようになる。
そして27分にセットプレーから追いつく。
ヘベルチのFKが相手の壁に当たって得たCK。
ヘベルチのCKをシンプリシオがニアでスラしファーの柿谷が合わせて同点。
鳥栖は11人全員でゾーンで守るが、ああいうニアでスラしたボールは何人いようがゾーンではどうしても守りにくい。セレッソは当然鳥栖の守り方を知っているのでニアに、シンプリシオ、山口、藤本を走りこませていた。
しいていうならシンプリシオに前に入られてしまった豊田が前で跳ね返さなきゃいけない場面かと。

またその直後には酒本のアウトにかけたクロスをファーサイドで詰めた児玉が合わせるもシュートは枠外となり、このままセレッソペースになるかと思われたが鳥栖も強度の高いディフェンスでセレッソの中盤に簡単にプレーをさせずその後は一進一退の状況のまま前半終了。

セレッソとしては後ろでボールは持てるのでそれほど嫌な展開では無いが…

■後半
後半の立ち上がりも前半と同じような展開。
56分〜
しかし、56分に鳥栖は岡本から高橋に交代。高橋はその前のプレーで足を痛めてしまっていたらしい。
65分〜
65分にセレッソは扇原から枝村に交代。山口をボランチに落として枝村を2列目に入れる。
扇原は鳥栖が狙っていたCBとSBの間のスペースの対応が上手くいっていなかったので、より後ろのスペースを守れる山口を落とした形か。

しかしこの辺りからセレッソの中盤にも疲れが見え始め、鳥栖にボールを運ばれる場面が少し増えてくる。最後の局面では何とか跳ね返していたがちょっとイヤな流れかなとおもっていたら…
相手のハイボールをシンプリシオが後ろにヘディングしてしまい金民友に抜けだされてしまう。マイナスのクロスから池田のシュートは何とかブロックするもそのこぼれ球が豊田の足下に転がりゴール。70分に1-2と再びリードを許してしまう。
しかもこのタイミングで児玉が足をつったかで痛めてしまう。
74分〜
74分にセレッソは左足のモモ裏を痛めていた児玉に代えて吉野。神戸戦で丸橋退場後左SBに回していた扇原は既に下げてしまっていたのでヘベルチを左SBにまわして吉野をその前に置いた形にする。

■ヘベルチと吉野
この交代でセレッソは息を吹き返した。
枝村、吉野とSHにフレッシュな選手が入った事でSBのサポートに入れる。
攻撃の時に幅を作ることが出来るようになる。
藤本の大きなサイドチェンジを酒本が収め、そこに素早く吉野がサポート。
ここでポイントをつくれると左サイドはがら空きで、そこにヘベルチがオーバーラップを仕掛けてクロス。こうもキレイに左右にふられてしまうと中央でマークを掴むのは難しくなるのも当然で、ヘベルチのクロスをフリーのケンペスが当たったか当たってないか微妙なところながら呂成海に当たりゴールに吸い込まれて2-2の同点となった。
吉野とヘベルチの関係
さらにこのゴールの後枝村と吉野のポジションが入れ替わり、吉野とヘベルチがの距離が近づく。
これがまたハマった。
吉野はサイドで開いてボールを受けてくれるので、ヘベルチが縦だけでなく中へも入って行く事が出来る。
ヘベルチが中に入れば吉野は開いたままで、縦に出れば吉野は中へ、とこの2人のポジションチェンジを鳥栖はなかなか捕まえられない。
80分〜
80分鳥栖は水沼に代えて早坂を投入。ヘベルチと吉野のところにフレッシュな選手を入れたいのと、ヘベルチのところから攻めようという狙いか。
83分〜
83分セレッソは足を痛めていた茂庭に代えて山下を投入。跳ね返す力だけなら茂庭以上にある。

そして86分。再び藤本から酒本への大きなサイドチェンジから枝村のサポートでポイントを作り、今度はワンツーを使っての縦への突破からのクロスをペナルティエリアの中で磯崎が手で止めてしまいPK。
そのPKを枝村から譲ってもらった柿谷が落ち着いて決めて3-2とついにセレッソが逆転する。

このまま終わるかとおもった89分に山口が与えたFKからのクロスをキム・ジンヒョンがパンチングで逃れようとしたのが呂成海にクリーンヒットしてしまいPK。
まあ故意では無いプレーだったけど、あれだけ思いっきりパンチが入ってしまったら仕方が無い。
このプレーで鳥栖は呂成海から小林に交代している。

しかしこの豊田のPKをキム・ジンヒョンがセーブ。
豊田はいつも相手を見て蹴るのでその情報も十分入っており、キム・ジンヒョンは最後まで動かずにガマンできた。

そしてこのまま試合終了。セレッソが3試合連続の3-2での逆転勝利となった。

■その他
これで今シーズン初の3連勝で順位は12位のままで変わらないものの降格圏の16位新潟とは勝ち点差8と広げ、天皇杯次第ではACLの可能性のある4位の清水までも勝ち点差6と近づいた。
こういう数字面でも大きな勝利だったけども、個人的に大きいと思うのは、鳥栖がボランチの所から守備をしてきたのにそれを跳ね除けて勝利したこと。
何度も書いている鹿島や柏にヤラれた時はもう手も足も出ない状態になってしまっていたのに、横幅の問題などがあるものの、同じ様なやり方で来たにもかかわらず勝ち切った。

あとこの試合のポイントは吉野の投入とヘベルチの左SB。
まずヘベルチの左SBだけど、後出しで申し訳ないですが、ちょっとやりそうな気はしてました(笑)。扇原が下がっている場面で後やり方があるとすれば横山を入れて藤本を左に回すぐらいだと思うんですが、ヘベルチ体も強くスピードがあってキックも正確なんで、丸橋を左SBにコンバートする人なんだからやりかねないなあと(笑)。まあ単純に左足で蹴れるのがヘベルチぐらいだったってのが大きいのでしょうけど(笑)。

また吉野については、彼は練習でもサイドで開いてボールを受けて中にドリブルしそこからスルーパスやサイドチェンジってプレーをよくやってるんだけど、それが上手く幅を作る事にもつながっていたし急造でどうしても中に入っていってしまいがちなヘベルチと上手くマッチできていたなあと。
そういえば10年は清武がこういう開いて受けて中にドリブルってプレーをよくやっていた事を思い出しました。

最後に鳥栖についてですが、
開幕でやった時に池田がある程度結果を残せればJ1でも十分できるんじゃないかとは思いましたが、ここまでゴール数は2点ながら相手からするとかなりイヤな選手になっていました。
あと何より岡本と藤田のダブルボランチが素晴らしいですね。ビルドアップでは引っかかる場面もありましたが、途中で書いたSHが片方に寄る特殊な形もこのダブルボランチが上手くバランスを取ってたのが印象的でした。
岡本はU-17の時に柿谷や水沼と一緒に出てたのでかなり印象に残ってる選手だったんですが、久しぶりに見てやっぱりいい選手でした。
岡本は広島からのローンのようなので、来シーズン以降もこのダブルボランチを残すことができるかどうかは重要だろうなと思いました。

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