2012年5月18日金曜日

5/16 ヤマザキナビスコカップAグループ第4節 VSサンフレッチェ広島 @キンチョウスタジアム


■セレッソ大阪 2 - 1 サンフレッチェ広島
セレッソ大阪:ブランキーニョ(27') キム ボギョン(90'+5)
サンフレッチェ広島:佐藤(30')
フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:1 松井謙弥
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 17 酒本憲幸 25 黒木聖仁
MF:2 扇原貴宏 6 山口螢 7 キム ボギョン 10 ブランキーニョ
FW:11 播戸竜二 13 柿谷曜一朗
SUB:21 キム ジンヒョン 14 丸橋祐介 18 横山知伸 26 村田和哉 28 井上翔太 9 ケンペス 19 永井龍
交代:柿谷→村田(59')
警告:播戸(45'+2) 扇原(67') 村田(81')

■サンフレッチェ広島
GK:1 西川周作
DF:24 森脇良太 5 千葉和彦 4 水本裕貴
MF:20 石川大徳 6 青山敏弘 35 中島浩司 2 ファン ソッコ 29 野津田岳人 7 森﨑浩司
FW:11 佐藤寿人
SUB:13 増田卓也 22 横竹翔 16 山岸智 15 髙萩洋次郎 25 大﨑淳矢 18 平繁龍一 9 石原直樹
交代:佐藤→石原(61') 森﨑→髙萩(80')
警告:青山(76') 森脇(90'+4)

リーグ3試合勝利なしで迎えたナビスコカップはキンチョウスタジアムでの広島戦。
広島とは10年以降3勝1分と結果を残しているが、両チームとも監督が代わっている。
セレッソは清武がベンチ外、キム・ジンヒョン、ケンペスがベンチスタート。
清武は前日の報道で足に違和感があり別メニューとの報道があったが、清水戦でもモモ裏にテーピングをしてたのでそれ以前から違和感があったのだろう。
一方の広島もカップ戦という事でミキッチ、森崎和幸など5選手を入れ替えてきた。

■広島の攻撃
広島 攻撃の仕組み
何度も書いている様に広島は攻撃の時は4バック+アンカーの形になる。
そして前線は1トップ2シャドー+両WBの5人が横幅いっぱいに広がって、4バックの間+SBの外の5つの隙間を狙ってくる。
CBの両サイドが広がりボランチの1枚が下りて後ろの形を変える事でボールを落ち着ける。後ろでボールを落ち着ける事で1トップ2シャドーと両WBが前線に出ていく時間を作っている。
低い位置でボールを落ち着けて、1トップ2シャドー+両WBが前線に出ていくという事は逆にいえば中盤にスペースができる。そこに前線の2シャドーや1トップが下りてくる事で楔のパスを引き出し、ここがダメなら両サイドへのパスを出す。

また、前線の5人をつかむ為に相手が例えば素早く4-4のブロックを作ったりすると、それを引き出す為に後ろの3人で焦らずじっくり徹底的にボールをつなぐし、さらに両サイドに広がった3バックの両サイドはSBの様に上がっていく。

■セレッソの守備
セレッソの守備
広島の攻撃でやっかいなのは前線の5人が4バックの間を狙ってくる事。
そしてボールを受けに下がってくるのはシャドーだけとは限らないので常にその間を縦に狙われる可能性がある。
そこでセレッソは引いてくる選手には2ボランチのどちらかで対応。そして間を狙ってきた時にはDFがスライドして対応し、ボランチがその元いた場所に入る。
要は相手の前線5枚に対してDFラインの4人+ボランチ2人の6人で対応させていた。
そして、広島のSBやボランチが上がってきた時はSHや柿谷が下がる事で必ずDFラインの局面では1枚が余る形になっていた。

■広島の守備
広島の守備
広島は守備の時は5バックにして守る。
攻撃の時は4バックだったのをフォーメーション通りに3バックに戻し、両WBはその外を埋める為に下がってくる。
またボランチも素早く3バックの前に戻って中央を固め、シャドーはその横に下がってくる事でセットしてしまえば5-4の形にして人をかけて守る。
一応セレッソのSBに対してはシャドーが対応することにはなっているんだけど、そこにセレッソのボランチやCBがよっていけば何の問題も無くSBの所でキープできる状態なので、そんなに苦労せずにセレッソがボールを持つことはできていた。

■セレッソの攻撃
セレッソの攻撃
しかしセレッソはSBの所でボールを持つことができるんだけど、そこからの攻撃は広島ほど出来上がっていない。
セレッソとしては相手のボランチを引き出してバイタルエリアにボランチやSBからボールを入れていきたいんだけど、広島もそこはきっちり閉めてくる。なのでセレッソはいつもの様にSHによる個人技頼みになっている場面が多かった。
なので広島のボランチを引っ張りだそうと扇原、山口が前に出て行きたいそぶりを見せるが、広島はカウンターも早いのでそこでボールを失った時のリスクを考えてなんかあまり出て行く様な場面は少なかった。その結果、ボールを持つ仕組みがしっかりしている広島がポゼッションを取る事が多かった。

■プレスとカウンター
セレッソのプレスと広島のカウンター
広島がボールを持ちそれをセレッソは人数をかけて守るという展開で、人数をかけてる分決定機自体はそれほど作らせてはいなかったものの、セレッソが何かを起こすには厳しい状況。って事でセレッソが時々前からプレスに行く場面も見られ始める様になる。
ただ、やっぱり広島のカウンターが怖いので、ボランチも前に出て行くのはサイドの奥でボールを失った時だけ。それ以外の時は前の4人はボールにプレッシャーをかけるものの後ろの4-2は崩さない様にしていた。

■試合展開
しかしわからないもので、このたまにしか見せないプレスからセレッソの先制点が生まれる。
セレッソの右サイド、広島の左サイドの奥でプレスをかけてそこから出た苦し紛れのボールを茂庭がカット。そのボールをヘディングで2つ繋いでブランキーニョが森脇との1対1をかわして先制する。
こうなれば広島と同じ様な戦い方をして来る浦和戦で見せていたトランジション勝負のカウンターで行く様にするのかな?と思っていたけどそんな隙はなかった(笑)。
先制から3分後、キム・ボギョンのミスパスからカウンター。
DFラインの4枚と山口、ロストしたキム・ボギョンは戻って何とか4-2の形にはするものの、そのブロックの外側、外側を使われてずらされてしまい、クロスのこぼれ球を佐藤に決められ同点に追いつかれる。

なのでまた同じ様な展開に戻る。
広島は右サイドにミキッチがいればそこから強引に突破してクロスという展開もあるんだろうけど、セレッソがサイドではSBとその後ろに下りて来たボランチで対応するのでそこから崩すという形はできなかった。

■後半
後半はセレッソのボランチが少し前に出て来る様になる。
攻撃では当然ボランチが前に出ると相手のボランチも動くのでボールが動かしやすくなる。ただ、前に出る分広島のカウンターのチャンスも増える。
なので前半よりはゲームが動く様にはなるけど、結局の所は両チームとも人数をかけて守るので得点は動かない。

59分〜
そこで、セレッソが攻撃の時に広島の人海戦術に埋もれてしまっていた柿谷に代えて大きく動ける村田を投入。
広島も佐藤に代えて石原、森崎に代えて高萩を投入。
それぞれ何度かチャンスは作るものの決めきれない展開だったが、最後の最後ロスタイムにキム・ボギョンの突破からPKを獲得。最終的には2-1で勝利となった。

■その他
どちらも後ろで人数かけて守るので、なんだか昔の試合を見ている様だった(笑)。
タダでさえ今シーズンのセレッソは相手を動かすという部分を重要視していないのに、清武がいない事でほとんど相手を動かす様なプレーは全くと言って良いほどかったし。
まあけど、その代わりに攻撃の時に自分達の形を崩さないので相手に動かされる事も少ないんだけどね…ただ、やっぱり自分達の形を崩さないというところで扇原はちょっと苦しんでいるなあと。ホントはもっとフリーになれるように動ければいいんだけど、その辺りは別の機会に。
けどそんな中でも64分頃だったかの、前線でボールを奪ってからの攻撃の中で村田に出したスルーパスは久々に見た美しいパスでした。

またそのパスで言えば受けた村田も、あれをシュートまで持っていける様になりたいなあと。あの場面では村田がトラップして次のタッチで縦に抜けようとしたボールを止められてしまったんだけど、ああいう形をシュートまで持っていけるようになればレギュラーを取れると思うしね。
例えば今までのレギュラーでいえば、真司ならトラップで相手を置き去りにしてただろうし、乾なら次のタッチが早いので抜けれてただろうし、清武なら次のタッチで単純に縦じゃなくって相手をかわす動きをしてただろうし、ボギョンなら相手が止めに来てもゴリ押しで前にボールを出せてただろうから。
村田ならシュートまで持っていける様になるだけの資質は十分あると思うので。

■審判
ここまで一切触れませんでしたが、この試合の主審をつとめた岡部拓人氏は酷過ぎた。
1つ1つのジャッジに対して書く事は控えますが、
先ず見ていない場面が多すぎる。
これは見えていないのではなくって、スピードについていけてないのかもう見ていないという有様。しかも1度や2度では無い。
なので判定の基準に一貫性が無い。
そもそも見ていないんだから仕方がないんだけど。
そしてヒステリックにカードを出してしまう。
前半終了間際に播戸に出されたカードなんて酷過ぎる。

誤審とかそういう問題では無く、岡部拓人氏はこの試合を見る限りはトップリーグの笛を吹けるレベルに達していなかった。

佐藤寿人が最後のPKに対してかなり激しい口調で言っていたそうですが、一試合通じてあのジャッジで最後にPKなんだから相手チームながらそうなってしまうのも仕方が無いなあと思いました。

過去にセレッソでは09年のJ2最終戦アウェー鳥栖戦、広島ではPKで槙野が置いたボールをペナルティエリアの外から走って来た佐藤がシュートして決めた2010年の清水戦で主審を務めていた人らしいですが。

2 件のコメント :

  1. こんにちは。
    柏のレビューを待ってからにしようと思ったのですが
    ↑に「扇原はちょっと苦しんでいる。それはまた次に」と
    あったので、こちらにコメさせて頂きます。
    試合後の選手コメントで、タカは「理由が分かれば
    改善できるのですが、どこが悪くて、ああいう失点を
    してしまうのか、まだ、頭のなかで整理できていないです」
    と言っています。
    これ即ち「監督に言われた通りにやっているはずやのに
    なんで上手くいかへんのやろ」ではないですか?
    監督が選手にどこまで事細かく指示しているのかは
    知る由もありませんが。
    結局監督が頭の中で「こうすれば上手くいくはず」は
    90分持続出来ないサッカーなのではと。

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    返信
    1. コメントありがとうございます
      扇原についてここで書きたかった事は柏戦の方に書いてみました。

      柏戦の失点自体はどちらも完全なミスですね。

      あと、押し込まれる、ボールを奪う位置が低いに関しては、ソアレスの言う様にロングボールが多いからだと思います。
      柏のCBは高さに強い、セレッソのFWはそうでもない、そんな関係でロングボールが多いと相手にボールをプレゼントしてるのとあまり変わんないですからどうしても押し込まれてしまいます。
      ただその理由は、柏戦の所に書いた事なんだと思いますけどね。

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