2012年4月20日金曜日

4/18 ヤマザキナビスコカップAグループ第3節 VS浦和レッズ @埼玉スタジアム2002


■浦和レッズ 1 - 4 セレッソ大阪
浦和レッズ:矢島(42')
セレッソ大阪:清武(11') 藤本(45') ブランキーニョ(49') 播戸(81')

フォーメーション
■浦和レッズ
GK:18 加藤順大
DF:26 濱田水輝 17 永田充 20 槙野智章
MF:5 高橋峻希 6 山田暢久 27 小島秀仁 3 宇賀神友弥 29 矢島慎也 24 原口元気
FW:21 デスポトビッチ
SUB:25 大谷幸輝 12 野田紘史 22 阿部勇樹 23 野崎雅也 8 柏木陽介 15 エスクデロ セルヒオ 8 ポポ
交代:永田→柏木(HT46') 槙野→野田(HT46') デスポトビッチ→阿部(60')
警告:小島(7') 柏木(85')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 17 酒本憲幸 20 高橋大輔
MF:6 山口螢 8 清武弘嗣 10 ブランキーニョ 13 柿谷曜一朗 25 黒木聖仁
FW:11 播戸竜二
SUB:1 松井謙弥 23 山下達也 14 丸橋祐介 18 横山知伸 26 村田和哉 9 ケンペス
19 永井龍
交代:ブランキーニョ→永井(79') 清武→村田(87')
警告:酒本(65') 播戸(83')

ナビスコの3節(セレッソは2節に試合がなかったので2試合目)はアウェーで浦和レッズ戦。
ミッドウィークのカップ戦という事で浦和は大幅にメンバーを代え若手を大量に入れ、ボランチには山田暢久、シャドーには原口、トップにはデスポトビッチを起用してきた。
ここ2試合は柏木、マルシオ・リシャルデスの2シャドーで結果を出しているので原口は結果を出したい所か。
一方のセレッソも故障を抱えている扇原、キム・ボギョン、ケンペスを外して柿谷と播戸が今シーズン初スタメン。また扇原の位置にリーグの仙台戦で厳しい内容だった黒木をボランチに戻して起用して来た。
今季より浦和の監督には広島の監督だったペトロビッチが就任しており、対ペトロビッチはJ2時代の08年には3連敗ししかもホームの長居で優勝を決められたが、J1昇格後の2年間では3勝1分けと圧倒的に相性が良く、しかも勝った試合は全て同じパターンで攻略しているが

■浦和の仕組み
浦和の可変の仕組み
浦和は思った以上に広島、というかペトロビッチの色が明確に出ている。
フォーメーション上は3-4-2-1だけどボールを持っている時は4-1-4-1になる。
最終ラインの人数を増やす(変える)事で後ろでボールを落ち着けるのが狙い。

前線に5人が並ぶ
後ろでボールを落ち着けてしまえば、CBとボランチの3人で数的有利を作ってボールを運ぶ。
その時に4-1-4-1の前線5人は5トップかとも言えるぐらいのポジションを取る。要は相手の4バックに対して数的有利の状況を作ってしまう。

相手の4バックが絞れば両サイドのスペースへ
守備側からすれば、最終ラインでは数的不利になっているので人について守る事は不可能、なので守る場所を決めなきゃいけない。で、守る場所は中央が優先なので通常は中央にSBを絞らせて中央を固める事になる。
けどそうなると両サイドは当然フリーになっている訳で、ボランチや最終ライン、SBから両サイドに長いパスを出してサイドから崩しにかかる。
広島ではミキッチ、今の浦和では梅崎など個で崩せるサイドアタッカーが重宝されているのはそういう理由。

開けば間を狙う
で、そのサイドにSBがケアする様になればDFの間が空く。
CFやシャドーが引いたり飛び出したりしてDFラインのギャップを作りその間に入って来る。
5-4で人数をかけてスペースを埋める
一方の守備はゾーンを下げての人海戦術。
3バックとWBの2人が最終ラインに入り、さらにボランチ+シャドーで5-4のブロックを作って徹底的に守る。
守備をする位置が低く、さらに人数をかけて守るので攻撃にかかるまでが大変そうなんだけど、それはさっきの最終ラインの人数を変えボールを落ち着ける事でカバーしている。

■セレッソの狙い
ペトロビッチのこのやり方に対してセレッソが挑んだ方法はトランジション勝負。
浦和は攻守で形を変えるので、攻守の切り替えのスピードを速めて形を変える前に攻略してしまおうという狙い。
守備から攻撃への切り替え
最初に書いた様にボールを持っている時に浦和はCBの両サイドはSB的になりWBが高い位置に出ている。
そして、ボールを奪われるとそのSB的な位置にいたCBの両サイドは中央に絞り、WBが下がって来る事で3バックの両サイドのスペースを消す。
ってことで、ボールを奪うと両WBが下がって来る前に3バックの両サイドのスペースにトップ下の柿谷や両SHの清武、ブランキーニョが飛び出し、そのスペースへボランチやSBから一気にロングパスを出す。
セレッソは立ち上がりからこの方法で柿谷や清武が何度もサイドから1対1を仕掛ける場面をつくる事ができていた。

攻撃から守備への切り替え
で、さっきのが守備から攻撃への切り替えの場面だけど、切り替わる場面はもう1つある。
セレッソがボールを奪われた瞬間で、この時も当然浦和は形を変える。
なので当然こっちも狙い目になるので、ボールを失った瞬間に相手が4-1-4-1の形を作ってしまう前に前線から一気にプレッシングをかけてボールを奪い、ショートカウンターを狙う。
このプレッシングの判断が結構難しいのは、セレッソサポーターなら去年のホーム長居での広島戦ではっきり覚えていると思うけど、あの試合の後半と同じ様に、この日のスタメンFWに入った播戸は的確な判断でプレッシングとリトリートを使い分ける事ができていた。

■試合の流れ
試合の流れとしては、立ち上がりからセレッソのトランジション勝負が機能し、セレッソペースで試合が運び、ショートコーナーから酒本のクロスをレッズDFが跳ね返したボールだったけど、一旦浦和に渡ったボールを攻撃から守備への速い切り替えで酒本と山口で奪いきり清武のスーパーゴールで先制する。
そういえば、去年のホーム広島戦も後半の反撃の狼煙を上げたのは清武のスーパーミドルだったって事を思い出した。

しかし、攻撃から守備への切り替えの場面は何度か見せられるものの、全てをそこで奪いきる事は難しいので浦和がボールを持つシーンも見られる様になる。
そして、相手に守備の形を動かされてしまうとどうしても守備から攻撃への切り替えという部分でスピードが落ちてしまう事になるので徐々に浦和も徐々にペースを握りだす。
特に今期のセレッソの両SBは絞り気味のポジションを取る事が多いので、ボランチやSBから長めのパスを両サイドに当てられ、そうなるとボールサイドのボランチがカバーに入る事になるので守備から攻撃の切り替えのスピードを上げられないシーンも見られる様になった。

そんな中、浦和の前線5人によるギャップ狙いの展開で、引いて来るデスポトビッチとそれについて行く藤本と、サイドに開く高橋峻希に引っ張られる高橋大輔との間を原口に突破されそのクロスを矢島に合わされて1-1に。

しかしブランキーニョのCKからこぼれ球を清武が冷静に播戸を上げそのこぼれ球を藤本がつめて同点にされた3分後に突き放し1-2で前半終了となる。

■後半
浦和の後半
浦和はHTで永田→柏木、槙野→野田と2枚替え。
ローテーションの一環と後はペトロビッチがボール運びに問題があると考えたんだろう
柏木はボランチに入り山田が最終ラインに下がる。

けど開始4分後に清武がFKを早めに最終ラインの裏に抜け出すブランキーニョに出して1-3とさらにリードを広げた。
柏木が入った事で浦和はボールをスムーズに運び出せるようになりはじめた所だったんだけど、清武がこれも言ってみればトランジション勝負で浦和の一瞬の隙をついた。

浦和の最終
しかし浦和は山田・柏木・小島の3人で播戸・柿谷の所を制し初めており、さらに阿部を投入してボランチに阿部、シャドーに柏木とベストメンバーの状態にする事で前への勢いを強める。
シャドーに入った柏木はボールを引き出す為に阿部に近寄ったり、前に飛び出したり、キープをしたり、フリックで原口に出したりなど、さすがにペトロビッチのシステムの経験が豊富だという所を感じさせるプレーを見せていた。
セレッソは押し込まれた状態で、山口の本人もビックリして一瞬両手で頭を抱えるパスミスなどがありながらもキム・ジンヒョンのスーパーセーブや、黒木と清武が臨機応変に最終ラインに入る事で相手の前線5人に対応し何とか防いでいた中、疲れの見えるブランキーニョに代えて永井を投入し播戸との完全な2トップに。
浦和が前掛かりになる中、清武がDFラインの裏へ走る播戸へ浮き球のパスを出し、そのパスを受けた播戸の反転シュートで1-4。

その後この試合1得点2アシスト1起点と全得点に絡んだ清武を村田に代えてそのまま試合終了。
結果的にはここ2年の対ペトロビッチと同じ様に快勝となった。

■その他
この日のセレッソは守備の方法などは「きっと去年の対広島戦を参考にしたんだろうなあ」と思わせる方法を取り、そこからドルトムントばりのトランジション勝負を挑み、結果を出した。
去年までの成功体験もあるし、狙いも明確で、しかもそれが最初からハマったので、素早い攻守の切り替えから後ろからドンドン飛び出して行く形はちょっとドルトムントっぽかった(笑)
ドルトムントっぽいってのは半分冗談で半分本気なんだけど、違うのはコントロールの部分。

ポゼッション
例えば今回の浦和であれば5-4でブロックを落としたらそうそう攻め込むのは難しい。
そんな時にボランチやCBのところでしっかりとポゼッションをすれば、相手にボールが渡る回数も少なくなる。
やはりトランジション勝負は何度も何度も行う事は物理的に不可能。だけど少ない回数であればそれが出来る。
なので相手が落ちた時にもっと意図的にポゼッションが出来る様になればきっともっと楽にこのゲームを進める事ができたのになあと。
まあポゼッションの部分はここ何試合かで書いてる相手を動かすって部分にも関わって来るんですけどね。

後は少し選手個々について
清武はかなりコンディションが上がって来た。
序盤はかなりキツそうだったけど徐々にコンディションは良くなって来てるのが見えていたし、この試合の清武は去年の前半並みのプレーを見せていた。
清武は本来ハードワークが出来る選手なんでね。

仙台戦はSBで苦労した黒木は、その後は練習から高橋大輔が左SBに入り黒木はボランチで固定されている様子。それで本人の表情も明るいらしい。
個人的には黒木の左SBは面白いなあと思っていたけど、本人にその気が無ければね(笑)。
この日は、浦和の狙いにまんまとハマった失点シーンで原口に振り切られていたし、もう1枚の山口が相変わらず素晴らしいプレーを見せていたし、同じサイドで前にいる清武が文句無しにマンオブザマッチの活躍だったので、相対的に効果的なプレーが出来ていないかな?とも思っていたけど見直してみたらそんな事は無かったです(笑)。
原口に突破された後は臨機応変に最終ラインに入り数的不利を解消できていたし、清武のサポートも素晴らしかったし、山口が前にプレスに行ったときのカバーもきちんとできていました。

あと、会見をテキストを最初に見た瞬間に「あ、湯浅氏だな」とわかった質問の柿谷についてはあえて書かずにまたの機会に(笑)。

最後に・・・山口螢はオリンピック前に契約延長して移籍金を釣り上げておいた方がいいんじゃない?
transfermarkt.deによると市場価格を25万ユーロって評価されてるけど、今の山口螢が25万ユーロなら激安ですよ。
http://www.transfermarkt.de/de/hotaru-yamaguchi/profil/spieler_118492.html


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