2011年7月25日月曜日

7/23 Jリーグ第6節 VS清水エスパルス @長居スタジアム

■セレッソ大阪 4 - 0 清水エスパルス
セレッソ大阪:キム ボギョン(53') 倉田PK(59') キム ボギョン(78') 乾(90+2')
清水エスパルス:なし

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 17 酒本憲幸 20 高橋大輔 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 10 マルチネス 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:15 小松塁
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 4 藤本康太 14 丸橋祐介 6 山口螢 19 永井龍 31 杉本健勇
交代:高橋→丸橋(62') 酒本→山口(74') 倉田→杉本(88')

■清水エスパルス
GK:29 碓井健平
DF:3 平岡康裕 17 ボスナー 4 太田宏介
MF:7 山本真希 26 村松大輔 18 小野伸二 10 小林大悟
FW:30 アレックス 11 大前元紀 19 高原直泰
SUB:21 武田洋平 5 岩下敬輔 25 岡根直哉 6 杉山浩太 8 枝村匠馬 9 永井雄一郎 13 高木俊幸
交代:小林→枝村(46HT') 小野→高木(62') 村松→永井(75')

前節の神戸戦は惨敗でシーズン初の連敗となってしまった直後の清水戦。
セレッソは上本とマルチネスが帰ってきたものの清武が足首の故障で不在。さらにピンパォンが契約延長せずに帰国となってしまったために1トップに小松でシャドーにボギョン。またここのところミスが多かった丸橋が懲罰的な意味も込めてだと思うがスタメンを外れたが、同じポジションの尾亦がケガで離脱中なので6/22の名古屋戦の終了間際に10分間だけやった右SBに酒本、左SBに高橋という形。
一方の5試合負けなしの清水は右SBの辻尾が離脱中ということで右SBにMF登録の山本。またトップに大前を戻し中盤に小野・小林・村松という組み合わせ。
セレッソは前節自滅とも言える内容だったのでミスをどこまで減らす事ができるか、また清水はメンバーから見ると戻ってきたマルチネスをどうするのかという事がわかりにくいのでここを誰がどこまで来るのかがポイントになりそうか

■マッチアップ
マッチアップ
清水のフォーメーションはキックオフ時には村松がアンカーかで小野と小林が2列目かと思ったけど小林と村松のダブルボランチでマルチネスは小野が見るという形の様子。

立ち上がりは清水のプレッシャーが早く、同じように前からプレッシャーをかけられた前節の神戸戦の影響かキックオフ直後に小野のクロスを小林大悟にフリーで合わされるなどかなり危ない状況を作られてしまう。
最初の10分ぐらいは本当に不安定でポジショニングも悪く簡単にボールを失うのでほとんどボールを前に運べない。

■相手を広げろ!
10分を経過したぐらいから徐々にセレッソがペースをつかみ出す。
まずきっかけになったのは高い位置でのプレッシャー。立ち上がりは簡単にボールを運ばれて押しこまれていたのでまずそれを止めにかかる。
そしてボールを持った時にポゼッションの基点を低い位置に下げるようにマルチネスが最終ラインまで下がってボールに触り始め、さらに清水のDFラインの裏へボールを出すようになる。この、ポゼッションの基点を低い位置に下げる事とDFラインの裏へボールを出す事は狙いは同じ、相手を間延びさせる事。

基点を低い位置に下げる
まず、ポゼッションを低い位置に持ってくる事で相手を誘う。この日は神戸戦で出来てなかったGKのジンヒョンを使うプレーもいつもの様に見せており、いざとなったらGKに戻してやり直すこともできるので、ようはココまでマルチネスのマーカーだった小野だったりの相手をおびき出すことで中盤にスペースを作ろうとする。
最初清水はセレッソの誘い簡単に乗りそうになるが、スグに修正。小野もマルチネスの位置までは行かないようになる。

DFラインの裏を狙う
ってことで次はDFラインの裏ねらい。
マルチネスやCBからDFラインの裏、特にこの日本職で無い右SBに入った山本の裏のスペースに向かって長いボールを入れ込み出てこないんだったら後ろに下げてやろうとしてくる。

酒本からのサイドチェンジ
そしてさらに相手を広げる手段としてもう1つ。清水のDFラインがボールサイドにスライドして寄ってくるのを見極め、DFラインを右にずらしてから清水の山本が入る逆サイドの裏をめがけて大きな斜めのサイドチェンジを入れていく。

清水の組織を広げて間延びさせることで中盤のシャドーがプレーするスペースを作りペースを握り出す。

また、この形で相手を押しこめば守備も安定する。
去年見せた鉄壁の守備は攻撃時にどのような形を作れるかということが重要で、この試合のように相手を押し込んでしまえば、早い攻守の切り替えと後ろに対人守備の達人が2人いる事で相手は人数をかけて攻めることができなくなる。
それでも高原は何度か基点になるプレーを見せてさすがというところは見せていたが、前半の中盤以降は完全に手詰まりになっていた。

■後半
後半のマッチアップ
清水は後半開始から、前半空気になってしまっていた小林に代えて枝村を投入。
ただ、セレッソはあいかわらず低い位置から始めるので小野と高原の2トップの様になってしまっていた。

セレッソは、もちろん状況によってポジショニングは変わるけど後ろに2CBとボランチの2枚という4枚がいるので普通に考えると前線は数的不利になってしまう所なんだけど、実際はそうはなっていない。

セレッソの3シャドー
柏戦でも書いたけど、その理由はセレッソの2列目は3シャドーだから。
この3人は平気で片方のサイドに集まる。なので局面では最低でも数的同数、なんだったら数的有利の状況にすることができる。今やどこのチームでもゾーンで守るのでこのゾーンを無視するようなポジションを取れば必ずそうなる。
でさらに後ろは完全に数的有利になっているので詰まっても戻せる。

って事で後半も同じようにペースを握るセレッソが試合を支配。
53分についにCKからボギョンが頭で合わせて先制。なんどか繰り返し蹴っていた中後のCKだったけど、このCKを蹴る前に高橋大輔と念入りに話しをしていたのが印象的で、実際合わせたのは高橋大輔のすぐ裏のボギョンだったけど確実に狙い通りのキックだったかと思う。

得点をとって勢いに乗るセレッソはさらに倉田が倒されたPKを自身が決めて2-0。
その後、高橋大輔と小野が頭同士を危険な形でぶつけてしまい高橋と丸橋が交代、酒本が足をつってしまい山口と交代などがあったものの、カウンターから2点を決め快勝となった。

また前節に引き続きベンチ入りした杉本がJリーグデビュー。決定機でトラップが長くなってしまったのでデビュー戦ゴールとはならなかったものの、4点目の基点となるなどまずまずのプレーを見せた。

■その他
立ち上がりは不安定だったもののこの日のセレッソは、低い位置からのビルドアップや裏狙い、シャドーのポジショニングなど狙い通りの形に持っていくことが出来た。
また攻撃の形を作る事で守備の安定をも作る事ができた。
上にも書いたけど、セレッソの守備の安定はボールを失った時の形にかかっている。ってことはボールの持ち方、ポゼッションにかかっている。
セレッソはスペースの感覚が他のチームとは少し違うので、この日の様にできればそう簡単に負けることは無い。

頭をぶつけてしまった高橋大輔。直後の動きはかなり不自然でかなり心配したが、今日自身のブログで元気な様子をアップしてくれていたので一安心って所です。

2011年7月18日月曜日

7/16 Jリーグ第5節 VSヴィッセル神戸 @ホームズスタジアム神戸

■ヴィッセル神戸 4 - 1 セレッソ大阪
ヴィッセル神戸:松岡(2') ポポ(54') 朴(57') 大久保PK(57')
セレッソ大阪:キム ボギョン(67')

フォーメーション

■ヴィッセル神戸
GK:30 徳重健太
DF:25 石櫃洋祐 4 北本久仁衛 5 河本裕之 21 茂木弘人
MF:8 松岡亮輔 18 田中英雄 7 朴康造 10 ボッティ
FW:17 吉田孝行 11 ポポ
SUB:1 紀氏隆秀 2 近藤岳登 14 宮本恒靖 6 羽田憲司 9 ホジェリーニョ 20 森岡亮太 13 大久保嘉人
交代:吉田→森岡(64') ボッティ→大久保(83') 松岡→宮本(90')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 4 藤本康太 14 丸橋祐介 20 高橋大輔
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:9 ホドリゴ ピンパォン
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 6 山口螢 25 黒木聖仁 11 播戸竜二 15 小松塁 31 杉本健勇
交代:中後→小松(46HT') ホドリゴ→播戸(74') 清武→山口(74')

震災の代替え日程とはいえ日・水・土ととんでもないスケジュールの3試合目は神戸戦。
セレッソは、上本が累積で出場停止のためCBは茂庭と藤本。ボランチは引き続きマルチネスが欠場だけど中後が戻ってきたので中後とボギョンという組み合わせ。
そして扇原・山口・杉本とユース出身選手が3人ベンチ入り。特に杉本は初めてのベンチでデビューなるかって所。
一方の神戸は前節から中盤に朴を残してボッティを中盤に入れてトップは吉田とポポ。ドイツから戻ってきた相馬はベンチ外となったが大久保がベンチに帰ってきた。

■前半
マッチアップ
4-4-2の神戸はCBに2トップ、SBにSHを、と前節磐田が取ったのと同じように当ててくる。
神戸のプレッシング
で、神戸が取ったのは高い位置からのプレス。
そのやり方はCBの前にFWが立ちボランチへのパスコースを消すところから始まり、プレスのスイッチはCBの横パス。CBが横パスを出した時にボランチへのパスコースを消しながら当たりに行き、ボールを出したCBにはもう1人のFWが行く事でボールを近い方のSBに出させる。で、SBにはSHが一気に距離を詰め、同時にセレッソのボランチへも神戸のボランチが距離を詰めていく。
開始2分にはこの形で丸橋から松岡がボールを奪い一気に先制するなど、立ち上がりから神戸のこのプレッシングが面白いようにはまった。

ただ、セレッソにも前からのプレッシングをかわすだけの力は十分あるので10分すぎにはボールを運ぶ場面も見られるようになるものの、前節の負けと開始早々の失点で焦っているのかなぜかこの日のセレッソはプレッシングをかわした所で一気に可能性の低い縦パスを入れてボールを失うということを繰り返してしまう。

そうなると神戸が気持よくプレーをし始める
神戸 ボール保持時の動き
ヴィッセルがボールを持っているの仕組みは上の図の様な感じ。攻撃の中心はやっぱりボッティ。ボッティが中に入ってボールを受ける事でマークをずらしてそこに両SBが上がってきて幅を作る。右サイドの中盤には朴が入っていてサイドに張っている時は石櫃のジャマになっていた部分もあったけど時折中に入っていくのでその時には石櫃がプレーする事もできていた。
よくわからなかったのはボランチに入っていた田中。松岡がバランスをとって田中が攻撃にアクセントをってイメージなんだろうけど、動きまわってボールを触るわりにはリズムが同じなのでそれほど効果はない。また頻繁に自分のポジションを空けて前に飛び出していくんだけどそこでも何も起こすことが出来ていない。
なので、ボールを奪われたら頻繁に田中のところにスペースが出来ていた。

セレッソ ボール運び
って事でセレッソが30分過ぎから田中のスペースを使ってようやく前にボールを運ぶ事ができるようになる。ただ、いつもの形にもっていくまで30分もかかった事でもわかるようにミスが多く何度かチャンスの1歩手前ぐらいまでしかできずに前半終了となる。

■後半
後半のマッチアップ
全体的に動きが重いセレッソは後半開始から、中後を小松に代え2トップにそしてボランチにはボギョンと倉田とカケに出る。
この時変える方向としては2種類あった。
この日のセレッソは神戸のプレッシングによって後ろでまったくボールを落ち着けられてなかったし、どんどん縦にボールを出してしまっていた。なので後ろに増やすか前に増やすか。
でも、その神戸のプレッシングはそれほど完成度も高い訳でもないのでいつものように低い位置でGKを使ったりボランチが下りてきたりしてゆっくりボールを動かせれば十分対応できるものだったし、上に書いた田中のスペースだったりっていうボールを運ぶ上での狙い目もあったので前に増やしてカケに出ようって事なんだろう。

しかしこのカケが裏目に出る。
小松を前に入れた事でリードしている神戸ははっきりカウンター狙いとなり、そのカウンターで茂庭がポポに入れ替わられてしまい失点。
悪いときはこうなってしまうもので、茂庭が1対1を止めるという前提で組んでる仕組みのなかその茂庭がやられて2-0。
さらにその3分後に康太が朴に裏を取られて3-0となってしまった。

67分には押し込んだこぼれ球からボギョンが決めて3-1とし、播戸、蛍を投入し前への意識を強めるものの、終了間際に大久保にPKを決められ4-1と惨敗となってしまった。

■その他
ミスから失点し、ミスで自ら攻撃の芽を摘む久しぶりに見た酷いゲームだった。
あれぐらいのプレッシングをかわせないんだから、この試合で言えばボギョンの裏のスペースも何もない。
なぜ神戸のプレッシングに対してジンヒョンを使わなかったのか。
連敗とはいえ自滅なので、揺らぐ事なくこの1週間で何がなぜ出来なかったのかをしっかり詰めてやり直して欲しい。後半や2失点目以降よりもなぜ前半にあんなサッカーをしてしまったのか。まあ自滅だからキツイってのもあるんだけど…

ただ、同じように失点した広島戦でもそうだったんだけど、先制を許した丸橋のミスの時にボギョンはまったくボールを受ける素振りも無かったのは気に入らないけど。

2011年7月16日土曜日

7/13 Jリーグ第4節 VSジュビロ磐田 @キンチョウスタジアム

■セレッソ大阪 2 - 3 ジュビロ磐田
セレッソ大阪:キム ボギョン(49') 丸橋(74')
ジュビロ磐田:金園(63') 駒野(77') 山田(80')

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 20 高橋大輔 22 上本大海
MF:6 山口螢 7 乾貴士 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:9 ホドリゴ ピンパォン
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 33 高橋祐太郎 4 藤本康太 25 黒木聖仁 11 播戸竜二 15 小松塁
交代:清武→藤本(77') 倉田→小松(77') 上本→播戸(81')

■ジュビロ磐田
GK:1 川口能活
DF:5 駒野友一 2 加賀健一 33 藤田義明 20 山本脩斗
MF:22 小林裕紀 6 那須大亮 23 山本康裕 10 山田大記
FW:17 金園英学 18 前田遼一
SUB:21 八田直樹 13 イ ガンジン 16 金沢浄 3 岡田隆 28 船谷圭祐 15 菅沼実 8 ジウシーニョ
交代:金園→ジウシーニョ(70') 山本 康→金沢(85') 山田→岡田(89')

この暑い季節に中2日という尋常ではないスケジュールのジュビロ磐田戦。
ピンパォンは戻ってきたけど今度は中後が累積で出場停止。マルチネスが前節に引き続き欠場なので、この日のボランチは山口蛍とキムボギョン。ボランチのポジションは守備や攻撃といったわかりやすい役割だけでなく全体のゲームコントロールに関わって来るポジションだけに、若い2人がどれだけ出来るか、またシャドーがこの2人をどれだけ助けられるかがポイントか。
一方の磐田は山崎が不在。って事で山田・小林・金園の大卒ルーキートリオが先発。山田・小林は新人とは思えない落ち着いたプレー、金園はゴールへの嗅覚があるらしいので注目したいところ。

■磐田のセレッソ対策
セレッソは4-2-3-1とはいえほとんど2バックなので、4-4-2の磐田はセレッソのSBとボランチを誰が見るのかが重要になる。
磐田 守備の形
で、まず立ち上がりの磐田は中央にブロックを作ってSBはSHに見させる事にする様子。
特徴的だったのはSBのポジションで、セレッソの2列目は3人いるけど両サイドに広がっているわけではないということでかなり絞り気味のポジションになっている。
両幅を作りさらにボール回しにも絡んでくるSBを見る選手をはっきりさせて、シャドーのポジションチェンジは人海戦術で止めてしまおうという狙い。
また、2トップのチームでもセレッソと対戦する時はその1枚が下がってきてボランチを見るという事が多いんだけど、2トップはあくまで2CBの前に置いて後方からのビルドアップの邪魔をしようという狙い。
ただ立ち上がりの磐田はこのブロックの位置が少し低すぎていたので、ボギョン・蛍のボランチコンビが結構なフリーっぷりになってしまい、セレッソのシャドーは狭いスペースをあまり苦にしないので立て続けにセレッソがチャンスを作られてしまうんだけど、攻撃の時間も増える事で徐々にそのブロックを上げていく事に成功する。

磐田 攻撃の基点
攻撃の中心はSB。ボールを奪えば絞っていたSBが両サイドに広がり先ずそこにボールを集める。
SBの裏のスペースへ
そしてここからセレッソSBの裏へのスペースにロングボール。SBから直接の事もあれば中盤を経由してからの場合もあったけど、ほとんど全てのチームがそうであるように狙いはやっぱりSBの裏へという形になっていた。
ただ、さすがにセレッソもこれだけ狙われ続けると予測ができているよ。って事でSBやボランチが上手くカバーにはいる事で決定的な場面はほとんどつくらせない。

■ゲームコントロール
ただ、前半のセレッソも理想的な展開とは言えない状態。
セレッソ ボール保持時
というのもCBの前にはFW、SBにはSHと磐田は目の前に人を置いてきているので後ろでなかなかボールを落ち着けることができない。
セレッソ 数的有利の作り方
実際マルチネスがよくやるように、そういう時はボランチがCBの間なりに下りて後ろで数的有利をつくってしまえば良いんだけど、ボギョン・蛍のボランチコンビは立ち上がりにスペースを貰った事も影響しているのか、そういうプレーが少ない。
乾がボールを受けに下がる
って事で乾が下がってボールを受けだすようになるんだけど、磐田の中央を固める人海戦術の壁は厚くボールを運んでいる間に引っ掛けられてしまう事が増えてしまう。
ただ、相手の中盤の両サイドはSBを見てるので押しこんでしまえばDFラインの前ではスペースができそうなんだけど、ボランチコンビが後ろでボールを落ち着けられていないので縦に早くなってしまっておりこれが実を結ぶのはもう少し後の話し。

セレッソのプレッシング
前半にセレッソがつくっていたチャンスのほとんどは前でのプレッシングからのショートカウンター。
プレッシング時にできてしまうスペース
ただこのプレッシングも結構なリスキーっぷりだった。前からのプレッシングは、当然元々いた所を空けてしまうっていう事でもある。前でしっかりプレスが掛かっていれば問題はないんだけど、この日のボランチコンビ(特にボギョン)は前へのディフェンスの強さに特徴があるので、結構ギリギリの場面でも行っちゃう事があり、もう1枚の蛍がなんとかカバー出来ているという場面も何度かあった。

■先制点
MFの間
後半に入りゲームが動く。
前に書いたように押しこんでしまえば磐田のDFラインの前はボランチ2枚なのでスペースがある。シャドーが下りてきてこの間に入れば局面での数的有利を作れるし、それを嫌がって寄せてくれば1つ飛ばせばもっと大きなスペースができる。
クイックリスタートからサイドにボールを動かして下がってきた乾が上手く局面での数的有利を作り、1つ飛ばしたボギョンが磐田DFの前に入り込み右足で決めて先制する。

その後2対1の局面でかわされてしまい磐田に同点に追いつかれてしまうのものの、再び押し込んだ形から丸橋が決めて2-1と再びリードする。

■磐田の変化
直接FWへ
最初磐田はセレッソの両SBの裏のスペースに後ろから長いボールというパターンが多かったんだけど、ここは茂庭・上本とSBや蛍がきっちりカバーできている。って事で前半の終盤あたりからスペースよりもFW目がけてダイレクトに入れてくる様になる。
磐田のFWは前田と金園。前田に比べれば金園の方がスピードがありそうだったけど、まだまだ茂庭と大海の方が上。それに比べれば前田に直接入れてしまったほうがまだ確率が高いだろうって事で早い段階からどんどん入れてくる様になる。
スペースを使うポストプレー
特にプレッシングに行ってボギョンとCBの間にスペースが有るときにコレをやられると少し厳しい状況にもなっていた。

って事でセレッソは藤本を用意する。
ボギョンは体の強さもあるのでセレッソのボランチとしての適正は持っているとは思うけど、どうしても前の選手なので後ろの守備には不安がある。
この日の藤本はMF登録だったので、クルピは浦和戦の終盤やACLのガンバ戦で中後がやっていたようなCBの前のスペースを藤本に埋めさせようってのを最初からある程度は考えていたんだろう。
中2日の疲れからか徐々に清武・倉田がボール運びに参加できなくなってきていたので、小松と藤本を入れてと準備していた所…
ボギョンが目の前でのボール回しに喰いついてしまい、駒野に後ろのスペースに入り込まれてしまい、2-2と同点に追いつかれてしまう。

もう少しの所で間に合わなかった。
前半はギリギリの所で蛍が踏ん張っていたけどそれもこの時間帯ではそれもできなかった。

さらにその後駒野のドリブルに丸橋が不用意に飛び込んでしまい、藤本がカバーに入るも勢いをもってつっかけてくる駒野を止めきれず山田に決められて逆転を許してしまう。

その後は、播戸を投入し攻め立てるセレッソ、DFを入れて守る磐田となりセットプレーから小松が決定的なヘディングシュートもポストのスーパーセーブで決められずそのまま試合終了となってしまった。

■その他
この試合でやっぱり悔やまれるのは2失点目。
ボギョンの後ろのスペースは前半から気になっていた。多分クルピも気にしていた。
だけどガマンしてあそこまで引っ張った。だから2-1までできた。で、ついに康太を入れようとしたんだけど間に合わなかった。
イエローを貰ってた大海と康太を早めに交代させておけばという事ではなくって、康太に埋めさせたかったのはCBの前、もっと言えばボギョンの出た後のスペースだったんだけど…

ただ、もっと大きな視点でみれば敗因はゲームコントロールの部分。
この暑い時期に中2日という厳しいスケジュールなので、特に前半の試合運びが最大の敗因だったかと思う。
ポゼッションをもっと有効に使わないと

最後に、この日体調不良で欠場だった磐田の山崎亮平選手が甲状腺機能亢進(こうしん)症(バセドー病)の治療のためチームを長期離脱するとの事。以前も同じ病気で長期離脱しているし、最近も投薬治療をしながら試合に出場していたみたいで、なんと言っていいのかわからないけど、ムリせずにしっかり直して下さい。復帰を心待ちにしています。

2011年7月12日火曜日

7/10 Jリーグ第3節 VSサンフレッチェ広島 @広島ビッグアーチ

■サンフレッチェ広島 1 - 3 セレッソ大阪
サンフレッチェ広島:李(2')
セレッソ大阪:倉田(33') 清武(49') 小松(51')

フォーメーション
■サンフレッチェ広島
GK:1 西川周作
DF:24 森脇良太 8 森﨑和幸 19 盛田剛平
MF:14 ミキッチ 6 青山敏弘 7 森﨑浩司 16 山岸智 15 髙萩洋次郎 9 李忠成
FW:11 佐藤寿人
SUB:34 中林洋次 22 横竹翔 17 服部公太 20 石川大徳 35 中島浩司 10 ムジリ 30 山﨑雅人
交代:髙萩→中島(46'HT) 青山→横竹(60') 佐藤→ムジリ(60')
退場:森﨑和(42')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 20 高橋大輔 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 13 清武弘嗣 16 キム ボギョン 23 倉田秋
FW:15 小松塁
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希 6 山口螢 26 村田和哉 11 播戸竜二
交代:倉田→山口(69') 小松→播戸(76') 高橋→酒本(81')

他の何処とも違うサッカーを見せる両チームの対戦。両チームともボールを大事にするし、ある意味では似ているけどスペースの使い方だったり考え方だったりが実はまったく異なる非常に興味深いカードなんだけど、去年のアウェーは広島に退場者が出て5-0、ホームは9月の炎天下の中でのデーゲームというとてもサッカーができるようなコンディションでは無い中での対戦となってしまいJ1に上がってからの相性があまり良くない。
セレッソはケガの治療でマルチネス、出場停止でピンパォンが欠場となりその位置それぞれボギョンと小松。
一方の広島は青山がスタメン復帰とシャドーの位置にムジリではなく高萩をいれてきた。

■広島のセレッソ対策
広島ボール保持時
3バックの広島はよく知られるように攻撃の時は4バックになる。なのでセレッソとはきれいにマッチアップする。
丸橋の裏のスペースへ1
丸橋の裏のスペースへ2
広島がこの日狙ったのは丸橋の後ろ。
後ろから丁寧にボールをつないでくるプレーが多い広島だけど、実は長いボールで選手を走らせるプレーも得意で、その中心なのがCBの位置にいる森崎兄弟。この2人から丸橋の裏へミキッチを走らせるパスをどんどん出してくる。
で、この時に李がボールホルダーに近寄ったり中に入っていったりする動きを見せるので上本が丸橋のフォローになかなか入れない状況になっていた。

開始2分で丸橋がミスから失点していた事もあってか、前半立ち上がりの時間帯は完全にミキッチが優勢。なんとかジンヒョンがセーブしたものの1本は完全に裏を取られてクロスを李に合わされたり、抜けられたミキッチを後ろから倒してしまったりとここから決定機を何度か作られてしまっていた。

シャドーとボランチのマッチアップ
守備でのセレッソ対策は入れ替えてきた2シャドー。
広島は守備の時には3バックになる。基本は引いて守るのでミキッチ・山岸の両WBも最終ライン近くまで戻っていくんだけど、この日はボールを失えばまず李と高萩がボランチのところにプレッシャーをかけるというのを徹底してくる。

ただ、広島は開始2分で先制しているのでそれほど積極的にという訳ではなく、まずボランチのところにシャドーが行って攻撃を送らせカウンターは防ぐ。そしてあとは自陣でしっかり守って丸橋の裏へカウンター狙いといった構図になっていく。

■セレッソの広島対策
SBとWBのマッチアップ
広島のシャドーは先ずボランチのところには当たりに来るんだけど、WBは下がっていくのでSBの周りにはスペースがある。一応ボールが入れば当たりにはくるが、一旦の預けどころになるだけの時間とスペースは十分ある。って事でボランチから近い方のSBを経由してシャドーへという流れが出来てきて、立ち上がりは少し劣勢気味だったセレッソも徐々にボールが持てる様になる。

前からのプレッシング
セレッソのとった広島対策は前でのプレッシング。
前にも書いたように広島はボールを持てば森崎浩司がCBの位置まで落ちてフリーに後ろで数的有利をつくろうとする。これで広島は後ろでボールを落ち着かせてビルドアップ、または長いボールでスペースを狙うんだけどそれをもさせないという事で、早い切り替えから1トップの小松と3シャドーで徹底的にDFラインにプレッシャーをかけていく。

前からのプレッシング2
そうなると広島はGKを使う。
広島の計算としてはDFラインにプレッシャーをかけられてもこれで後ろで数的有利をつくってしまえば再び後ろから組み立てられるという事なんだけど、この日のセレッソはこの時点でDFラインとの枚数が合ってればGKの西川にもプレッシャーをかけに行く。

GKまで行けば絶対にどこかで空いている選手を作ってしまうし、後ろには広大なスペースをつくってしまうのでよほどの状況で無い限り普通はここまでは行かないし、ここまで行くような計算で守り方を組み立てる事はほとんどない。
でもこの日のセレッソはGKの西川までのプレスをゲームプランとして組み込んでくる。

そこで顕になったのは西川のキックの不安定さ
西川は足元の技術がしっかりしたGKと言われているが、止まっているボールやパントでは正確なキックを見せるものの、プレッシャーがかかると一気に正確性を欠くようだ。
また、例えば逆サイドや1つ奥の選手も見えなくなるようで、確率の低い、狙いのハッキリしないキックやミスキックが増えていく。

このプレッシングでマイボールの時間を増やす事ができるようになりゲーム全体が徐々にセレッソペースになっていく。
そんな中プレッシングからGKへのバックパスのミスから倉田が決めて同点にする。

さらにその9分後、この試合の流れを大きく左右する事件が起こる
試合の立ち上がりから不安定なジャッジをみせており、丸橋がミキッチを倒したファールからスタジアムとの信頼関係どんどん失っていっていた主審が42分森崎和幸のハンドを取り2枚目のイエローで退場。
徐々にセレッソがペースを握りつつあったが、このジャッジで完全にセレッソペースになる。

■数的有利とプレッシング
後半の形
後半に入り、シャドーの高萩と中島を交代。退場後一時的にDFラインに入っていた森崎浩司を中盤に戻し森崎和幸の入っていたCBの位置に中島を入れる。
さらにシャドーに入っていた李が佐藤と並んで2トップの様な形になる。

後半 前からのプレッシング
前半途中からGKの西川までにも行くプレッシングでペースを掴んでいったセレッソ。
相手が1人減ってしまったので、GKまで行ってもどこにも数的不利は生じないということでさらにプレッシングを強める。
また、李がシャドーではなくトップの位置に入ったことで、広島はボランチにプレッシャーに行く事が難しくなってしまい、ボギョンがフリーで攻撃に絡むことができるようになる。

そのままの勢いで後半49分・51分と立て続けに清武・小松が決めて1-3に。
終盤は暑さとリードでチーム全体が間延びしてしまい追加点をあげることができなかったもののそのまま1-3で試合終了。
セレッソはリーグ戦初の連勝となった。

■セレッソのプレッシング
審判以外でこの試合のポイントとなったセレッソの前からのプレッシング。
ヨーイドンに抜群の強さを持つCBを2枚揃えリスキーな2バックシステムをとり、シャドーの守備意識も高いセレッソは元々早い攻守の切り替えと前でのプレッシングという形を持っているチームなんだけど、この日はそれがより徹底されていたし、より効果的だった。
ボギョンのボランチということでどうしてもマルチネスよりも展開力が劣ってしまいポゼッションという面では不利になってしまう事も予想されたんだけど、前への強さという特徴がプレッシングでは効果的だった。

■広島の対プレッシング
前でのプレッシングに脆さを見せた広島。
特に前線にでかくて強い強烈なFWがいない広島にとって、前にも書いたけどGK西川のキックの不安定さがより厳しいものとなった。
またこれはどっちが原因かはわからないけど、顔を出してあげるなどまわりのボールを受けに来る動きも物足りなかった。
セレッソはきっちりスカウティングしここを狙ってきた訳だけど、この日の状況なら広島はこれからもココを狙われる可能性はあるんじゃないかと思う。まあFWにはスピードがあるのでDFライン次第では逆にピンチになってしまう事もあるんだろうけど。

■森崎和幸の退場
この試合の主審はホントに酷かった。
立ち上がりから比較的ファールをとりがちな姿勢をみせていたので、両チームやスタジアムとの関係はあまり良くなかった。
そしてそこで起こった丸橋のファール。
ちょうど目の前であのプレーが起こったんだけど、最初に手をかけた場所は確かにペナルティエリアの外だったけど、倒したのは完全に中。微妙な判定というよりも普通はPKだろうというファールを外としたジャッジで一気に信頼関係は崩れた。

そこからスタジアム内の広島サポは全ての判定に不信感を持つようになってしまい、さらに主審もその雰囲気にどんどん飲み込まれていきカードを連発。
最終的には森崎和幸の退場となってしまった。
スタジアムではあのファールはよくわからなかった。
リプレーでみると確かに森崎和幸の右手が紛らわしい動きをしていたけど、実際あのハンドの場面で近くにいた清武が広島ベンチ前で給水中に広島ベンチと同じように首をかしげていたので、やっている選手達もよくわからないハンドだったんじゃないかと思う。(試合後のJAGSで清武が「微妙」を連発していたようだけど)

最初広島ペースで徐々にセレッソがペースを取り戻していっていた流れで、さらに得点もお互いのミスで同点となっており、さあこれからといった中での退場だったので非常に残念なものとなってしまった。
お互いに個性の強いチームの対戦で、これから両チームがどうして行くかと興味深い状態だったのに…
もちろんセレッソが勝つに越したことは無いんだけど、個人的には非常に残念だった。
このまま行けばスペースに対する感覚の違いなど、もっと面白いものが見れただろうに…

以前にも書いたけど、審判はもしカードでゲームをコントロール出来ると思っているならそれは大きな間違いだということに気がついて欲しい。
確かに広島はシャドーの動きを捕まえきれていない場面もあったし、前からのプレッシングで慌てて遅れてしまっていた場面も多かったのでファールも多くあったとは思うけど、あれだけカードが出てしまう内容ではなかった。

それにしても広島とはどうも相性が悪い(笑)

2011年7月3日日曜日

7/2 Jリーグ第2節 VS柏レイソル @長居スタジアム

■セレッソ大阪 5 - 0 柏レイソル
セレッソ大阪:乾(18') ホドリゴ ピンパォン(24') マルチネス(68') 播戸(84') 倉田(90+1')
柏レイソル:なし

フォーメーション
■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 14 丸橋祐介 20 高橋大輔 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 10 マルチネス 13 清武弘嗣 23 倉田秋
FW:9 ホドリゴ ピンパォン
SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 17 酒本憲幸 32 尾亦弘友希 6 山口蛍 16 キム ボギョン 11 播戸竜二
交代:ホドリゴ ピンパォン→播戸(72') 乾→キム ボギョン(75') 中後→山口(78')

■柏レイソル
GK:21 菅野孝憲
DF:4 酒井宏樹 5 増嶋竜也 3 近藤直也 15 ジョルジ ワグネル
MF:10 レアンドロ ドミンゲス 28 栗澤僚一 20 茨田陽生 13 兵働昭弘
FW:19 工藤壮人 18 田中順也
SUB:1 桐畑和繁 22 橋本和 25 村上佑介 7 大谷秀和 8 澤昌克 9 北嶋秀朗 11 林陵平
交代:兵働→橋本(37') ジョルジ ワグネル→澤(53') 田中→林(65')
退場:レアンドロ ドミンゲス(28')

元々は3/12にキンチョウスタジアムで開催予定だったこの試合。
セレッソは乾の問題や清武の不在、ボギョンの出場停止などで続けていた2トップから従来の1トップに戻し、シャドーにU-22から帰ってきた清武、乾、倉田をいれた現時点で最も機能的なプレーができると思われるメンバー構成。あと、CBにも上本が復帰している。
一方の柏は前節のメンバーにこちらも同じくU-22から戻ってきた酒井と村上を入れ替え、さらにGKの菅野が復帰している。まあ酒井は前節も後半から出ているんだけど。

■主導権争い
柏のフォーメーションは4-2-2-2。
4-2-2-2はその配置上サイドがどうしても空きやすくなるんだけど、セレッソ対策でと言う事なのか前線はジグザグ仕様。
マッチアップ
柏の狙いは、先ずゲームをコントロールされたくないとい事で、マルチネスにレアンドロドミンゲス・中後には兵藤とボランチに2列目の選手をきっちり当て、さらに丸橋には田中と攻撃のキーになるところをきっちりマッチアップさせる事を狙っている様子。

柏の攻撃の仕組み
また柏がボールを持てば両SBが上がってくる。
この上がり方は特徴的で、右SBの酒井はタッチラインを駆け上がるという形なのだけど、左SBのジョルジワグネルは中に入ってきて中盤のボール回しに加わり、その分兵藤が左サイドに開くという感じになっていた。

セレッソのポゼッション
マルチネスと中後の所をケアされているので簡単に相手を押しこむという形には持っていけないセレッソなんだけど、この日はいつもとは少し違った形で主導権を握っていく。
柏の守備は最初に書いたマッチアップ以外にボールサイドに選手を集めるという特徴がある。4-2-2-2で成り立ってるのでそうなってしまうし、中央を崩されたくないから4-2-2-2にしてるという事もあるんだろうけど、Jリーグの中でも特にその傾向が強い。でそこで数的有利のまま囲い込んでしまおうという狙いがあるんだけど、セレッソのシャドーも平気で同サイドに集まるので狭い局面になるものの柏が奪い切るまでにはいけず、そこでSBを上がる時間をつくりそのまま逆サイドに大きくサイドチェンジ。
この形で柏を押しこんでいく事に成功する。

セレッソのサイドチェンジから
特に効果的だったのが左サイドでポイントを作り右サイドにサイドチェンジの形。
左サイドにシャドーを含めて選手を集めてしまいそこからサイドチェンジをすると高橋がフリーでボールを受けれる。そこで前を向きさらにシャドーが絡んでくる動きを柏は捕まえきれずブロックを下げざるを得ない状況にもって行くことができていた。

となると柏が狙うのはカウンター。
柏は実はカウンターで得点を重ねるチームなので押しこまれてもカウンターをという狙いがあったのだろうけど、セレッソは早い攻守の切り替えでシャドーとボランチ1枚での高い位置でのプレッシングと、プレスをかけられない時にはしっかりと後ろに下がるという判断ができておりカウンターを押さえる事もできていた。

■一気に試合が動く
徐々にセレッソがペースを握り柏が苦しくなってくる中、セレッソが先制。
倉田が競ったゴールキックを清武が拾いスルーパス。抜けだした乾が冷静に流し込んだ。
押しこまれた柏がゴールキックになった事で集中をきらして清武・乾を空けてしまっていた。
またその6分後、CBからの縦パスを高橋大輔がインターセプト。そのままスペースへだしピンパォンが決める。リズムが徐々にセレッソに傾きつつあるという状態だったのだが、その中で一気に2-0にまで持っていく事になった。

さらにその4分後、レアンドロドミンゲスが後ろからマルチネスを倒して2枚目のイエローとなり退場。
セレッソペースになっていっている中、一気に2点を奪われイライラしていたのだろうけど、イエローを1枚貰ってる選手とは思えないプレーで柏はさらに厳しくなってしまった。

セレッソ 数的有利になって以降の逆サイド
人数が少なくなった柏に対してセレッソはさらに攻め立てる。
相手が11人の時は3シャドーが同サイドに集まってから逆サイドに展開という流れだったのだけど、相手が1人少なくなったという事でシャドーの1枚は逆サイドに残す。
もうこうなるとサイドチェンジ後は圧倒的。倉田が決定機を外してしまい得点にはならなかったのだけど、これでは厳しいということで柏もすぐに修正。左SBに橋本を投入し、ジョルジワグネルを中盤に上げる。

退場後の柏
ただ、この形になってもサイドチェンジからのシャドーを捕まえきれずセレッソペースのまま前半は2-0で終了。

後半はカウンターの機動力を求めジョルジワグネルを澤にかえるなどいろいろ手を打ってくるもののセレッソがマルチネス・途中出場の播戸・終了間際には倉田と得点を重ね5-0と完勝。リーグ戦ホーム初勝利は首位の柏を圧倒するものとなった。

■シャドーを抑えきれなかった柏
柏はセレッソ対策としてレアンドロドミンゲス・兵藤でボランチを押さえにかかってきた。
それで中央を固めてしまえば守れる、なのでそこからカウンターを狙おうという計算だったのだろう。
がしかし、SBを使ってシャドーそこにシャドーが絡むと全く止められなかった。

セレッソ シャドーの動かし方
セレッソは、両SBで幅、ボランチで後ろの預けどころを作る。外の枠をつくってしまう。
そしてその枠の中でシャドーは同サイドでシャドーが3人集まるなんてザラなぐらいかなり自由に動く。って事は場合によっては同サイドの近い距離に5人がプレーしている事もある。
この形で局面での数的有利をつくってしまい崩していくというのがセレッソの狙いなんだけど、この日はサイドチェンジを効果的に入れる事でさらに柏の対応を難しくさせていた。

結果的には退場が大きく響いたのかもしれないけど、退場になる前から柏は止める方法を用意出来ていなかった。

■その他
乾・清武・倉田でスタートしたシャドーは、このメンバーが今のところベストの組み合わせ。この3人はいずれもプレーイメージも近く、近い距離で短いパスを細かく繋ぐことができる。
近い距離で集まってプレーする中ではこのプレーが非常に重要になっている。
ボギョンはそこがまだ少し物足りない。広いスペースで1人でやるには強さも突破力もあるのでかなり魅力的なのだけど、現段階ではシャドーでならやはり乾・清武・倉田の方が効果的なプレーを見せる事ができる。
なので、しばらくはこの3人でボギョンは途中からって流れで良いんじゃないかな。
乾の状況次第ではそうも言ってられなくなるかもしれないけど

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