2011年5月26日木曜日

5/24 ACL ROUND16 VS ガンバ大阪  @万博記念競技場

■ガンバ大阪 0 - 1 セレッソ大阪
ガンバ大阪:なし
セレッソ大阪:高橋(88')

フォーメーション

■ガンバ大阪
GK:1 藤ヶ谷陽介
DF:2 中澤聡太 21 加地亮 30 内田達也
MF:7 遠藤保仁 10 二川孝広 11 宇佐美貴史 17 明神智和 23 武井択也
FW:9 アドリアーノ 22 イ グノ
SUB:29 木村敦志 3 金正也 15 藤春廣輝 8 佐々木勇人 13 キム スンヨン 14 平井将生 18 川西翔太
交代:イ グノ→佐々木(67') 二川→平井(90'+1)

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:4 藤本康太 22 上本大海
MF:7 乾貴士 9 ホドリゴ・ピンパォン 10 マルチネス 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 23 倉田秋
SUB:1 松井謙弥 2 扇原貴宏 32 尾亦弘友希 5 中後雅喜 17 酒本憲幸 11 播戸竜二 15 小松塁
交代:倉田→中後(46'HT) 乾→小松(46'HT) ピンパォン→播戸(90'+2)

ACL ROUND16という舞台で戦う大阪ダービー。ダービーはもちろんいつも勝ちたいのだけど、この試合は今まで以上に勝ちたい試合。
この試合に向けてセレッソはアンカーに中後を入れた4-3-3(4-3-2-1)にするとの情報も出てくる。突然の3ボランチといった報道だったが、川崎、新潟とカウンターからSHを使ってSBの裏を狙いCBをつり出すという方法で崩されていた対策として、浦和戦・川崎戦の終盤でテスト済みの布陣なので十分予想の範囲内だけど…

■前半
セレッソの布陣は結局いつもの3シャドーでボランチはマルチネスとボギョン。この形で来たという事はセレッソは「ボールポゼッションを高めて守備の機会を減らしたい」ので「攻守の切り替えを早くして守備は前でしていきますよ」という事なので立ち上がりからボールを失えば前からプレッシングをかけていく。
茂庭が出場停止で茂庭のポジションに藤本が入っていたけど、藤本はJ2最終戦で20cm近く身長差のあるハーフナーマイクをマンツーで何もさせなかった様に1対1の守備能力は非常に高く(時々ポカがあるんだけど…)、またワントップに入っていたアドリアーノは抜群の身体能力を誇るもののハイボールやフィフティのボールに対する競り合い自体を嫌う傾向があるので前できちんとプレッシャーさえかかっていれば何の問題も無いという状況と作り出す事ができていた。

一方のガンバはスタジアムでの電光掲示でフォーメーションまで見せてくれてそこでは3バックになっていて驚いたものの実際は武井が左SBにはいった4-2-3-1。ガンバに移籍直後に1トップは2度とやりたく無いと言っていたアドリアーノだけどガンバの基本布陣はこの4-2-3-1になっている。ガンバもCBの山口をケガで欠いているし、そもそも今シーズンの公式戦で無失点は1試合のみと守備に不安を抱えているのでポゼッションを高めようという狙いがあるのだろうけど、立ち上がりを制したのはセレッソ。プレスの質の問題もあるけど多分GKの差が大きいかとは思う、セレッソはCBと引いてきたマルチネス+キムジンヒョンで相手のプレッシングをかわす事ができていたので後でボールを落ち着ける事が出来る。これでペースを握ったセレッソが試合を支配する。
今年のセレッソはつなぎでのミスが多くこの日も決してミスが少ない訳ではないのだけど、ガンバも同じ様にミスが多くまたボールを失ってからのディフェンスが上手くいっていたのでそれほど問題にはなっていなかった。

セレッソが使われたくないスペース
両SBの裏・ボランチとCBの間
高い位置でのプレッシングでスペースを使わせない
相手FWはCBで潰す

しかし途中から1stディフェンダーが緩慢になってくる。緩慢になればCBとボランチに間が空いてくる。最初に行けないとガンバにこのスペースを使われはじめて全体をずらされることになるのでポゼッションも握られとなり、前半の30分ごろからガンバペースに少しずつ移ってくるもどちらも得点なしで前半終了となった。

■後半
後半スタートから倉田・乾を下げ中後・小松を投入。
前半の終盤にペースを握られた要因となったボランチとCBの間に中後を置くというここ2試合できっちり実験済みの形にして、前線に高さというよりも縦の意識とスピードを加えるために小松を入れこれで完全にペースをつかむ。
こうなれば前線の流動性はやっぱり少し落ちてしまうんだけど、マルチネスとボギョンという前への守備に強さを見せるボランチが後ろに中後がいる事で安心して前へプレスに行くことができるようになり安定、ガンバは前から来れなくなるし完全にペースを握る。

中後投入後のプレッシング効果
高い位置からの守備と共にCBとボランチの間は中後がカバー

特にシャドーで上手くいかずなかなかポジションが定まらなかったボギョンが今シーズン最高とも言えるプレーでボール運びや基点となるプレーからフィニッシュまでと幅広く素晴らしいプレーを見せていた。
途中、セレッソのやり方上仕方がないとも言えるカウンターを受けてしまうも2CBとキムジンヒョンの好セーブで切り抜けた終了間際にセレッソがやっと得点を決める。
その前からレッドでもおかしくない飛び出しミスを犯していたGKの藤ヶ谷が清武のクロスをキャッチし珍しくそのままスロー。ここまでずっと蹴っていたのにここで二川にスローをする。この時間帯は両チームとも間延び気味だったのでつないで攻めれるとの判断だったのだろう。二川からパスを受けた遠藤がトラップが長くなってしまいこれを中後が絡みルーズボールに、そのこぼれ球を拾ったマルチネスからボギョン、ボギョンの外側を回る高橋へながしたボールをニアに思いっきりシュート。
高橋は1試合で1回はこの手のシュートを狙ってる(枠に飛ばない事がほとんどだけど)。
これが完全にクロスと読んで空けてしまっていた藤ヶ谷のニアを抜きゴールネットを揺らした。

その後ガンバもロスタイムに前へ前へと攻め藤本がこの日初めてアドリアーノに振り切られ決定機を作られてしまうものの結局このまま試合終了。
スコアは終了間際の0-1だけど内容は完勝だった。

■その他
ガンバを継続的に見ている訳ではないのでよくわからないけど、ガンバは普通にやって普通に負けたように見える。また途中で何か出来たわけでも無かった。
一方のセレッソはボギョンと中後のポジションやピンパォンと小松の使い方など、それこそチャンピオンズリーグのアーセナル戦セカンドレグに向けたバルセロナのようにリーグ開幕戦で破れてからかなり準備してきたしそれをこの日できていた。
また他にも例えば得点にはつながらなかったけどCKのキッカーも川崎戦で2得点につながったボギョンの右CKだけど、この日はボギョンはCKを蹴っておらず、右は清武と中後、左は丸橋といつものインスイングのボールではなく全てアウトスイングのボールにしてくるなど様々な手を打ってきた。
結果的に1点しかとれなかったけどこの試合に関してはハッキリと差があった。

今シーズンカウンターで狙われているSBの裏にCBを釣り出される形だけど、この日は速い攻守の切り替えでの高い位置でのプレッシングでそのスペースを消してみせた。
よくゾーンディフェンスでボールにプレスをきっちりかけれていればボールサイドと逆サイドは捨ててしまって問題ないというロジックに近い方法で消した。
SBが高い位置を取るチームの代表格といえばバルセロナだけど、バルセロナも最初は皆ダニエルアウベスの裏を狙おうとしてきた。けどボールを失ってからの速いプレッシングでそこを使わせない。しかもボール運びの中で相手の陣形を崩してそう簡単にカウンターの形をつくらせない様にすらなっている。

もちろんバルセロナとセレッソでは大きな違いがあるし、同じことができるはずも無い。
が、しかし進むべき哲学やコンセプトは参考になる。
例えば香川がいないとか家長がいないからとかではなく、SBのポジショニングや選手選考をみてもこれで行くならボールを持ってサッカーするしかない。
なのでボール運びとポゼッション、速い攻守の切り替えがそこを消す方法の1つにもなる。って事は後ろでボールを落ち着かせること、ビルドアップでミスをしないこと、勇気を持ってやりなおすこと、ボールを運ぶ精度をあげること、そして速い切り替えで高い位置からプレッシングをかけること、そこの精度を高める事が最も重要で進むべき方向なんじゃないかと思ってきた。
(ちなみに、書く直前に読んだリージョのインタビューにかなり影響を受けた)

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