2011年4月23日土曜日

4/20 ACL VS 全北現代モータース(韓国) @Jeonju World Cup Stadium(韓国・全州)

■全北現代モータース 1 - 0 セレッソ大阪
全北現代モータース:イ・ドングッ(77')
セレッソ大阪:なし

フォーメーション


■全北現代モータース(韓国)
GK:1 ヨム・ドンギュン
DF: 3 シム・ウヨン 4 キム・サンシク 16 チョ・ソンファン 30 ジョン・グアンファン 33 パク・ウォンジェ
MF:8 エニーニョ 11 イ・ソンヒョン 13 チョン・フン 15 キム・ドンチャン
FW:20 イ・ドングッ

SUB:6 ジン・ギョンソン 9 ジョン・ソンフン 14 カン・スンジョ 17 イム・ユファン 18 フアン・ボーウェン 19 クルーノ・ロブレク 21 キム・ミンスク

交代:ジョン・グアンファン→カン・スンジョ(59')エニーニョ→クルーノ・ロブレク(60')キム・ドンチャン→ジョン・ソンフン(76')

■セレッソ大阪
GK:21 キム ジンヒョン
DF:3 茂庭照幸 22 上本大海
MF:5 中後雅喜 7 乾貴士 9 ホドリゴ・ピンパォン 13 清武弘嗣 14 丸橋祐介 16 キム ボギョン 20 高橋大輔 23 倉田秋

SUB:1 松井謙弥 4 藤本康太 10 マルチネス 15 小松塁 17 酒本憲幸 19永井龍 32 尾亦弘友希

交代:上本→藤本(46')ホドリゴ・ピンパォン→マルチネス(70')倉田→小松(70')

ACL4戦目は連戦となる全北戦、今回はアウェー。
セレッソは前回と全く同じスタメン、ベンチにはマルチネスが復帰。
一方の全北は前回はリーグとの絡みで大幅にメンバーを落としていたとの事で、前回のメンバーからCBの3、右SBの30,右SHの11,セカンドトップの15を残して7人を入れ替えて来た。またフォーメーション上は4番がアンカーの4-1-3-2と記したけど、セレッソがボールを持てばセカンドトップの15番は中盤のラインに入り4-1-4-1になっていた。ちなみに久しぶりにちゃんとみたイ・ドングッは昔はもっとかわいらしい顔をしていたのにすっかりオッサンになっていた(笑)

■全北現代の真の実力は?
前回対戦からメンバーを大幅に入れ替えた全北。守備時のシステムもちょっといじっておりDF登録の4番をアンカーに入れた4-1-4-1になっていた。4番が普段はどこのポジションの選手なのかを知らないので想像でしかないけど、監督が前日会見でも中盤の攻防と言っていた様なので、きっと長居での対戦で中盤でかなりやられた事でセレッソ対策としてDF/MFの2ラインの間に置いて来たのではないかと思われる。
ただやり方はメンバーが代わっててもやり方は基本的に同じで、激しいプレッシングから20番のイ・ドングッかサイドへという形。左サイドの8番ブラジル人が前回はいなかったタイプの選手でテクニックがありゴールへの意識も高い中心選手でこの8番経由で攻めて来る。

立ち上がりは予想された通り前回同様ハイペースで入ってくる。しかし相手のやり方を知ったのはもちろんセレッソも同じなのでハイペースにも惑わされる事無くしっかりとした入りができていた。ただ、全北の8番と高橋大輔のマッチアップのところはちょっと危なそうな感じは最初からあった。

そして全北の守備時4-1-4-1ですが、前回同様このブロックの精度はやっぱりそれほど高くない。一応、人は並べて4-4の間に4番がおり入ってくるシャドーには対応するんだけど、複数が入ってくると中途半端な寄せになるし、プレスも前には来るんだけどそもそも4-4で挟み込もうという意識も低く15分ごろからはリズム良くボールを回せるようになってくる。

しかしこの日はいかんせんミスが多く、前回の前半20分すぎから後半途中までの様な完全にペースをつかむ展開とまではいかない。ペースをつかめないのはミスが多いからで、特にビルドアップの途中、「ハーフウェイすぎぐらいまで」とポゼッションサッカーでは最もやってはいけない場所でのミスパスや不確実なプレーが多く、せっかく前に運び出したボールなのにまた全体で下がって守備をしないといけないという状況が何度もあった。
セレッソの守備については後で詳しく書くが、ボールを持って相手を崩しにかかる場面も多くつくるものの、途中のボールロストでまた戻らなきゃいけないと場面も多いというアップダウンの激しいもったいない展開になってしまっていた。

こういう展開でもセレッソはチャンスを作れていたので、ここで1つでも決めれていたらかなり楽にはなったのだけど点が入らない。0-0の状態が続くと苦労するのは当然ボールをもってサッカーをする方になる。徐々に疲れが見え始め運動量が低下し始める。
そこで先に動いたのは全北、60分に8番からロブレクを投入し前回唯一効果的だったパワープレーへの準備を着々と始めだす。
ここでセレッソは高さ対策もあったのか、70分にマルチネス、小松を2枚投入。HTに大海から康太の交代もあったのでクルピにしては珍しくなんと70分で3人の交代枠を使い切る。が、結果的にはこの交代は失敗だった。ケガ/病気あけのマルチネスのコンディションがかなり悪く、落ちてきた流れを立て直せない。
そして76分にセカンドトップの15番から前回も出ていたデカい9番と交代させパワープレーに入ってこようかとした77分にスローインから高橋のサイドをロブレクに破られ深い位置からグラウンダーのマイナスクロスを9番がスルーし後でフリーで待つイ・ドングッに決められついに失点してしまう
前半から8番とのマッチアップで、相手は右利きなのにはっきり縦を切りすぎて中にカットインされて危ないシュートを打たれる等不安定さを見せていた高橋がついにやられてしまった。
この時間帯は前半から続く中途半端なボールロストでかなり疲弊しており、スローインからで数的不利も何も無かったのだけど入れ替わられた高橋を誰もサポートに行けずえぐられた場所からクロスを入れられる形となってしまった。

その後もゴール前までボールを運び、終了間際にはボギョンが決定的なシュートを打つ場面もあったが、結局はそのまま試合終了。1-0のまま敗戦となってしまった。


■セレッソの守備方法
セレッソは守備方法にも特徴がある。まあ攻撃のやりかたが他とは違うということはボールを失ったときの形ももちろん異なるので、特徴的になってしまうのも当然なんですが・・

ボールポゼッション

まずボールを持っているときは上図のようになっている。
ここで特徴的なのは両SBとシャドーのポジショニング。
セレッソの両SBのポジションはかなり高い。なのでDF2-MF8なのだけどセレッソの両SBは相手を広げるという重要な役割を担っている為、両サイドが同時に中盤の位置まで上がっている。
そしてシャドーは3人が自由に動き回り、3人が同サイドに集まる事すら多くある。
ポゼッション/攻撃については別の機会に書くことにするけど、基本的にはこの様な形になっている事が多く、この形でボールを失った時は、両サイドが上がっているために後ろに広大なスペースがあることになり、この形でボールを失った場合、相手はまず、バックラインの後ろのスペースにFWを走らせカウンターを狙ってくる事が多い。

この対応方法が何週か前のサッカーマガジンの守り方特集にあった「即時」なんだけど、いくら茂庭と上本のCBコンビがスピードがあり抜群の1対1の強さがあったとしても全てフリーでやられるときついので、ボールを失った瞬間に、シャドーも含めた前線が速い攻守の切り替えで先ず前線からボールホルダーにプレッシャーをかけ、ここでボールを奪えなくとも簡単に、フリーで相手に蹴らせないようにする。
そしてさらに、シャドーが3枚同サイドに寄ってる時は逆サイドにも大きなスペースがあるという事になるので、そこを使わせないためにボランチの1枚がそこのスペースをカバーに入る事になっている(下図)(この部分もかなり重要なのにサッカーマガジンでは触れてくれなかった)
ボランチのスペースカバー

こうして、プレス&カバーで取りきれてしまえば最高なんだけど、やはり取りきれない場合も多い。そうなると相手を遅らせながら下かりしっかり守る形に持っていく(下図)
ブロックを下げる
で、この試合厳しくなってしまったのは、このブロックを下げてボールを奪ってから最初のポゼッションの形に持っていくまでの間でミスが相次いだこと。その段階でのミスをしてしまうと、サッカーマガジンでいう即時も、スペースカバーも何も出来ないのでまた急いでブロックを下げなければいけない。
このアップダウンによる疲労が得点が入らない事によってさらに大きくなり、厳しい形となってしまった。

■その他
これでグループ3位となってしまい、一喜一憂するメディアは「勝ち抜け危機」といった報道もあったけどそれほど悲観することはないと思う。全北の前回と今回が別チームとしてみてもこれで全チームとの1周りが終わったわけだけど、このグループ内ではセレッソのサッカーが頭一つ抜けていた。また、後残っているのは、アウェーのアレマとホームの山東戦だし、2勝すれば相手の結果に関わらず勝ち抜け決定、山東-全北戦の結果如何では1勝1分でも勝ち抜けが決定となるのでチーム状態から考えても十分可能な範囲内だと思う。
ただ、心配なのは実はこの4試合で3点しか取れていない事。
いくら内容が良かってもゴールが無いと勝てないわけだし、特にアジアの戦いでは低レベルな審判や必要以上にラフな戦い方をしてくる相手など何が起こるかわからない。
今週末からいよいよJリーグも再開されるのでそこでしっかり状態を上向きにし、是非グループ突破をして欲しい。

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